ただ、クレーン車などの大型特殊免許については、適性についての見解は示されていない。また、てんかん患者が持病を隠して申告しなくても、刑事罰はないという。
栃木県警運転免許センターの担当者は、柴田将人容疑者が同センターで免許を取ったかについては、「個別の事件ですので、コメントできません」と言う。一方で、てんかんの持病を申告している人はたくさんいるが、申告せずに行政処分で免許を取り消されたり、事故を起こしたりする人もいるとした。そのうえで、「私どもとしては、現行制度でできることをやるしかありません」と言っている。
柴田容疑者は、過去にも小学生を乗用車ではねて民家に突っ込む同様な事故を起こしている。同じ鹿沼市内で2008年4月9日、小学生男児1人が右足に重傷を負った事故で、当時も「居眠りしていた」と供述していた。この年11月に禁錮1年4か月執行猶予4年の判決を受けたが、「仕事疲れから眠気をもよおした」と認定されたようだ。
今回の事故では、てんかんの発作が原因なのか、あるいは別の原因があるのかは今後の捜査次第だが、起訴されれば、過失の有無が争われる可能性がありそうだ。
同様な事故では、薬を飲んでいても、過失致死罪に問われたケースがある。三重県四日市市で10年12月30日に、歯科医師(46)の乗用車が自転車に追突して2人を死亡させたとされた事故では、津地検四日市支部が、てんかんの発作があるので運転を控えるべきだったとして起訴している。一方、歯科医師側は、発作のほとんどが睡眠中だったとして、11年4月20日の初公判で無罪を主張している。
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