2011-04-20 20:09:52

貿易収支と円安

テーマ:ブログ

日本の財政を支えている一つの要因は、経常収支の黒字である。  阪神大震災の1995年当時の経常収支の黒字は約15兆円であるが、そのうち約11兆円が貿易収支の黒字である。 ところで直近の2010年度の貿易収支の黒字は5兆3917億円と阪神大震災時の約半分である。 一方、経常収支は、17兆801億円の黒字である。 2009年度の経常収支は13兆2867億円の黒字であるから、4兆円近く黒字は大きくなった。 これは貿易収支の黒字が大きくなったのが主な要因である。 


2011年度の貿易収支の見通しは、かなり黒字が減ると思われる。 これは震災による供給能力の毀損、また風評被害による輸出の減少と共に、1バレル100ドルを超えて高止まりしている原油価格や、食糧価格の高騰が続いていること、さらに復興需要による輸入の増加も見込まれるからである。


実際、今日の速報で、3月の貿易収支は1995億円の黒字で、前年比78.9%の減少となっている。 4月はさらに黒字幅は減少する見込みである。  


このような交易環境が続くと、当然円安に振れると思われる。 夏ごろには、1ドル90円台になることも考えられよう。 これは輸入物価、特に石油の値上がりに繋がり、インフレ要因になると考えられる。 震災復興が本格化すれば、輸入も大きくなるだろうから、供給能力が今後2-3ヶ月でかなり回復しても、貿易収支の黒字は2011年度は小さくなり、場合によっては赤字になることもあるだろう。 また電力不足による供給能力のマイナスも見込まれよう。 


その結果、経常収支の黒字幅が大きく減少するようなことがあれば、財政赤字のファイナンスが難しくなってくるだろう。 こういった状況下で、復興のための国債発行をするわけであるが、金利の上昇を防ぐには、復興のための臨時増税をしなければならないと思われる。 所得税では増税幅が大き過ぎるので、消費税を3%程度3年増税する案が検討されているようだ。 12年度から3年間は消費税8%でその後18%程度に上げるのが社会保障の維持には当然必要になるだろう。


そもそも年金の国庫負担を2分の1にしたが、この財源すら現在は埋蔵金を取り崩して賄っているのが現状で、その埋蔵金も枯渇しようとしているのだから。

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コメント

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1 ■こちらでも一応。

>teleius225さん

どうやらコメントが反映されていないようですので再度投稿。

アク禁(書禁)されたという事は、『貴方はここでモノを述べる資格を有しません』 という事ですよ。
そしてそれは 『IPアドレスに対してではなく、貴方自身に対して』 のものです。
IPを変えたりして書き込めるからといって 『資格が復活した』 というワケではないんですよ。
なんで、こんな初歩の初歩な事に関してまで他人から説教されてるんですか、貴方は。

「書き込むな」 という明確な意思表示に対して、なんとか書き込める状況を作り出してまで書き込むのは、明らかにストーカーのそれと同じです。

いい大人なら、貴方自身の発言に関する正当性が、貴方自身の行動で台無しになってる事に気がつきましょうね。

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