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【社会】

福島原発「水棺」1号機で開始 窒素注入と並行作業

2011年4月20日 16時01分

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 福島第1原発の事故で、東京電力が原子炉格納容器内を水で満たす「水棺(すいかん)」作業を1号機で既に開始していることが、分かった。水棺は原子炉の安定的冷却のために重要な作業。水素爆発を防ぐための窒素注入と並行して実施している。

 東電が17日に発表した事故の収束に向けた工程表では、1号機は第1段階として3カ月後までに水棺を完了し、原子炉を安定的に冷却させる。その後の3〜6カ月で原子炉を100度未満の「冷温停止状態」にする計画だ。

 1号機は格納容器の圧力が2、3号機より高く、東電は気密性が比較的保たれているとみて容器内への窒素注入を7日から開始。20日朝までに8500立方メートルを注入した。当初の予定では6千立方メートルを入れた時点で容器内圧力が1気圧上がると想定したが、実際には0・4気圧ほどの上昇にとどまり、その後低下している。東電や経済産業省原子力安全・保安院は、容器が冷えて容器内の水蒸気が収縮していることが原因とみる一方、「どこからか空気が抜けているのでは」との見方もある。

 水棺による注水量は不明だが、関係者によると水漏れはほとんど確認されていない。燃料棒の上端部まで格納容器内の水位を上げる方針。ただ、水位が上がると空気が抜けている部分から水が漏れ出す可能性もあり、容器の状態を監視している。水素はほぼ抜けたとみられるが、安全のため当分の間、窒素注入は続ける。

 復旧作業では、2号機の立て坑にある高濃度汚染水を集中廃棄物処理施設に移す作業を20日も継続。立て坑の水位は19日午後7時から20日午前7時までに1センチ下がった。

(中日新聞)

 

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