「ギャラクシーSは模倣」 アップルがサムスン提訴(下)

サムスン「アップルが特許無断使用」と反発

 アップルの提訴について、サムスン側は「まだ訴状を受け取っていないため、正確にはコメントしにくい」とした上で「模倣したことはない」との立場を協調した。

 サムスン関係者は「先に泥棒行為に及んだのはアップルなのに、われわれに食って掛かっている。アップルの居直り的な態度に会社中が(怒りに)沸き立っている」と語った。

 サムスンは約20年にわたり、携帯電話や移動通信設備を生産し、数多くの特許を保有している。サムスンは後発のアップルがiPhoneを発売し、既存メーカーの特許技術を無断使用していると主張している。

 業界は、サムスンの追い上げをけん制するため、アップルが訴訟を仕掛けたとみている。今月末にアップルの新型スマートフォン「ギャラクシーS2」が発売されるのに合わせ、あら探しに乗り出したからだ。アップルのiPhone4後継機種の発売時期は6月以降が見込まれている。このため、競合社の製品に「コピー」というレッテルを貼り、人気を抑え、自社製品の先端イメージを誇示する狙いがあるとみられる。

模倣はあったのか、訴訟の見通し

 アップルの製品は、無駄がなく洗練されたデザインが有名だ。いわゆる「アップル・スタイル」だ。iPod(アイポッド)、iPhone、iPadという「アップル製品三銃士」は、便利な機能とともに、手にフィットするような感性的なデザインで世界的なベストセラー商品となった。

 iPhoneの対抗馬として発売されたサムスンのギャラクシーSは、スリムな外観、鮮明な液晶画面など一見iPhoneと似ている。チヒョン国際特許法律事務所のオ・ビョンソク代表弁理士は「米特許法は製品の外観や一部分、アイコンなどデザイン要素の独創性を幅広く認めている、サムスンに模倣判定が下される可能性もあるため、しっかりと対応する必要がある」と指摘した、

 しかし、アップルのデザインは完全に独創的なものではない。MP3プレーヤーのiPodがドイツの有名産業デザイナー、ディーター・ラムスのデザインしたポケットラジオ「T3」を基にしているのはよく知られた話だ。

 ソウル科学技術大の金炯俊(キム・ヒョンジュン)教授(産業デザイン学)は「アップルとサムスンの製品は似ているが、これは一般的なデザイン要素と見ることも可能だ」と説明した。デザインにも流行があり、最近はアップルのようなシンプルなデザインが人気を集めているとの指摘だ。

金熙燮(キム・ヒソプ)記者

李仁黙(イ・インムク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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