「ギャラクシーSは模倣」 アップルがサムスン提訴(上)
外電報道によると、米アップルが今月15日、サムスン電子のスマートフォン(多機能携帯電話端末)「ギャラクシーS」とタブレット型パソコン「ギャラクシータブ」がアップルの「iPhone(アイフォーン)」「iPad(アイパッド)」のデザインをそのまま模倣しており、知的財産権を侵害されたとして、米カリフォルニア州北部連邦地裁に提訴していたことが分かった。
アップル側から「アイデア泥棒」呼ばわりされたことについて、サムスン側は「一部が似ているからといって、模倣と決め付けるのは不適切だ。むしろアップル側がサムスンの通信分野の特許技術を無断で使用している」と反発した。業界ではアップルがスマートフォン市場でのサムスンの追撃を阻むため、攻勢に出たとみている。
■アップル「泥棒から知的財産権守る」
アップルの広報担当者は「サムスンが最近発表した製品は、形だけでなく、パッケージングまでアップル製品を露骨にまねている。そういう会社の泥棒行為から知的財産権を守るため訴訟を起こした」と説明した。
アップルは訴状で▼直方体の本体に丸みを帯びた角を採用した点▼枠部分を銀色の帯で覆った点▼背面に平面ではなく曲線デザインを採用したiPhone3の特徴▼角が丸いアイコンを使用した点―などをサムスンに模倣されたと主張した。アップルはまた、模倣によって生まれた利益の損害賠償と謝罪広告をサムスン側に求めた。
アップルがサムスンを攻撃したのは、今回が初めてではない。先月iPad2の発表会場でジョブズ最高経営責任者(CEO)は、サムスンのギャラクシーSを「コピーキャット(模倣犯)」と非難した。ギャラクシータブが発表された昨年にも「市場に出るや否や死ぬことになる」とこき下ろした。
ジョブズCEOの毒舌とは裏腹に、ギャラクシータブは昨年、約200万台を売り上げた。タブレット型パソコン市場では、iPad2の1500万台に次ぐ2位を記録した。スマートフォン市場でもギャラクシーSがiPhoneの独走に待ったをかけている。