政府は20日、食品衛生法の暫定規制値を超える放射性物質を検出したとして、福島県で水揚げされるコウナゴ(イカナゴの稚魚)の出荷停止と摂取制限を同県に指示した。原子力災害対策特別措置法に基づく魚介類の出荷停止措置は初めて。福島県では既に全域で出漁を自粛しており、市場には流通していない。福島県で水揚げされるコウナゴは年間約8700トン(08年)で、全国の約14%を占める。
厚生労働省によると、福島県いわき市沖で18日に採取したコウナゴから、規制値(1キロ当たり500ベクレル)の約29倍にあたる1万4400ベクレルの放射性セシウムを検出した。これ以外にも7日と13日に採取したコウナゴの2検体から規制値を超える放射性物質を検出していた。
茨城県沖で採取したコウナゴ2検体からも規制値を超える放射性物質が検出されているが、直近2回の検査では規制値を下回っており、モニタリング検査を継続するという。【佐々木洋】
毎日新聞 2011年4月20日 12時52分