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事故を起こした責任はあるが、事故の回避義務はない…てんかん発作

2005年2月24日(木) 00時57分

てんかん発作の前兆を自覚しながらクルマの運転を続け、意識が失った際に他車との衝突事故を起こして相手を死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた25歳の男性に対する判決公判が21日、大津地裁で開かれた。裁判所は男性に無罪を言い渡している。

問題の事故は2002年9月27日に発生している。滋賀県栗東市内で当時23歳の男性が運転する乗用車が対向車線側に逸脱。当時42歳の男性が運転する軽トラックと正面衝突し、この男性が全身を強く打って死亡した。

逸脱したクルマを運転していた男性には、てんかんの持病があり、事故当時も発作を起こして意識を失っていたことがわかった。

だが、事故当時にこの男性は警察の取り調べに対して「意識が朦朧となってきた段階でクルマを止めるべきだったと思う」などと供述。検察では「容疑者は事故の予兆を感じ、クルマを停車させることが出来たにも関わらず、これを怠った」として、事故を起こした責任はあると判断。男性を業務上過失致死罪で起訴した。

21日の判決公判で、大津地裁の伊藤寛樹裁判官は「被告は体に変調を感じた段階で、やがて意識を失うであろうことを予見すべきだった」と、被告に事故を起こした責任があったことを認定した。

その一方で「被告は意識を失う前兆を自覚していたが、運転中止の判断に至る前に意識を失った可能性もある。自覚した地点が事故現場に近接していた可能性も否定できず、事故の回避義務が生じていたという検察側の主張には疑問がある」として、運転中止義務違反の過失がないとも指摘。禁固2年の求刑に対し、無罪の判決を言い渡している。

《石田真一》
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