統一地方選第2ラウンドの皮切りとなる阿久根、枕崎、垂水の3市議選(いずれも定数16)が17日告示される。阿久根は住民投票による議会解散に伴う出直し選で、竹原信一前市長の急進的な「改革」の是非が争点。枕崎、垂水は任期満了に伴う選挙。既に候補予定者らは後援会事務所を構えるなど、前哨戦は始まっている。
阿久根市議選は、議会少数派の竹原派市議らが今年1月、有権者の3分の1超の署名を集め、議会解散を直接請求したことが発端。2月の住民投票で過半数が賛成、議会は解散した。同市の選挙は、竹原氏が初当選した08年8月以降、約2年8カ月で住民投票、補選も含め計9回目となる。
解散前の議会は竹原派4人、反竹原派12人。両派とも過半数を目指しており、出馬予定者は24人(全員無所属、女性2人)。内訳は、竹原派12人(前職4▽新人8)▽反竹原派11人(前職9▽新人2)▽中立が新人1人。竹原派は主に、議員報酬日当制や人件費大幅カットによる官民格差是正など急進的な「竹原流」の実現を訴える。対する反竹原派は、4年で人件費15%削減など西平良将市長の穏健な改革を支持し、報酬日当制には反対する人が多い。竹原氏が県議選で自民現職に大差で敗れたため反竹原派は勢いに乗り、竹原派は巻き返しを図る。
枕崎市議選は今回、定数2減となった。立候補予定者18人の内訳は現職12人、新人6人。党派別では自民1人▽共産2人▽社民1人のほかは無所属。女性は3人。燃料高騰や水産資源減少に悩む基幹産業・漁業の振興などが市政課題となっている。
垂水市議選は18人が立候補を予定。内訳は現職12人、元職2人、新人4人。党派別では共産1人、諸派1人、無所属16人。全員男性。活発化する桜島の降灰対策や人口減対策などで論議が交わされそうだ。
立候補の受け付けは各市とも17日午前8時半~午後5時、市役所で(枕崎市は午前10時半まで市民会館)。10日現在の有権者数は阿久根市=1万9829人▽枕崎市=1万9996人▽垂水市=1万5126人。【福岡静哉、村尾哲、川島紘一】
毎日新聞 2011年4月16日 地方版