アメリカ・テキサス州で新たな原子力発電所を建設することを計画していた電力会社が、福島第一原子力発電所の事故によって事業の先行きが不透明になったとして、投資を打ち切って撤退すると発表し、日本の原発事故がアメリカの原発建設にも影響を与え始めています。
これは、テキサス州にあるサウス・テキサスプロジェクト発電所を運営する大手電力会社「NRGエナジー」が19日、発表したものです。それによりますと、NRGエナジーは、日本の大手電機メーカーの東芝と共同で、この発電所に新たに2基の原子炉を建設する計画でしたが、投資を打ち切って計画から撤退するとしています。その理由について、NRGエナジーは「福島第一原発で起きた事故によってアメリカでも新たな原発計画の先行きが不透明になっている」と述べたうえで、「これ以上の投資は株主の同意を得られない」と説明しています。NRGエナジーは投資を打ち切るに当たり、4億8100万ドル(およそ400億円)の特別損失を第1四半期に計上するとしています。福島第一原発事故のあとアメリカの電力会社が新たな原発の建設を取りやめるのはこれが初めてで、日本の原発事故が世界一の原発大国アメリカにも影響を与え始めています。