栃木県鹿沼市で集団登校中の市立北押原小学校の小学生の列に大型クレーン車(十二トン)が突っ込み六人が死亡した事故で、自動車運転過失致死容疑で送検された運転手柴田将人容疑者(26)が「持病のてんかん発作を抑える薬を飲み忘れていた」と供述していることが二十日、捜査関係者への取材で分かった。
事故直前ハンドルを抱きかかえて伏せているように見えたという目撃証言もあり、鹿沼署は、事故当時柴田容疑者が発作を起こし、意識を失っていた可能性があるとみて慎重に捜査を進めている。
また、柴田容疑者は二〇〇八年四月にも鹿沼市の国道で、出勤途中に登校中の男児をはねて足に大けがを負わせた後、民家に突っ込む事故を起こしていたことが判明。自動車運転過失傷害罪で有罪判決を受け、現在は執行猶予中だった。
これまでの調べに柴田容疑者は「居眠りをしていた」と供述。一方で、「柴田容疑者には持病がある」との情報が寄せられ、同署は同県日光市の自宅の捜索で診察券などを押収し、持病や薬の服用実態について本人や関係者から事情を聴いている。三年前の事故の判決では「前日の仕事の疲れから、眠気を覚えながらも運転した」と認定されていた。
てんかんは、一時的にけいれんや意識障害などの発作が起きることがある。かつては免許の欠格事由とされ取得・更新ができなかったが、〇二年の道交法改正で一定期間発作がないことなどを条件に可能になった。
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