原子炉建屋内部の調査が課題
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原子炉建屋内部の調査が課題

4月20日 4時3分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力福島第一原子力発電所の1号機から3号機では、原子炉建屋の内部にロボットを入れる調査を初めて行ったところ、障害物や高い湿度に阻まれて、限られた範囲でしか状況を把握できませんでした。事故の収束に向けて欠かすことのできない、原子炉建屋内部の調査を、どのように進めていくのかが、新たな課題となっています。

東京電力は、今月17日から2日間、福島第一原発の1号機から3号機の原子炉建屋に、無線で遠隔操作するロボットを初めて入れて、内部の状況を把握する調査を行いました。その結果、1号機では、ロボットは原子炉建屋の北側の壁に沿っておよそ40メートル進み、がれきが散乱しているのが確認されたものの、大きな障害はなかったということです。しかし、ロボットが到達した地点のさらに先となる建屋の西側では、ロボットを操作する無線が原子炉に遮られて届かない可能性があり、東京電力は、調査の範囲をどこまで広げられるか、確認を進めたいとしています。また、3号機では、ロボットは原子炉建屋の南側の入り口から入りましたが、鉄板のようなものが散乱していて、そこから先は進むことができませんでした。同じようなケースは、ほかの場所でも想定されるため、東京電力は、重さ100キロまで持ち上げることのできる別のロボットを投入して障害物を取り除くなど、調査を進めるための方法を検討したいとしています。最も調査が進まなかったのが2号機の原子炉建屋で、湿度が最大で99%と極めて高い状態にあり、ロボットが中に入ったとたん、カメラのレンズが曇ってしまい、ほとんど前進できませんでした。2号機では、原子炉建屋の地下にある圧力抑制室=サプレッションプールが爆発によって損傷した影響で、放射性物質を含む蒸気が漏れ出ている可能性もあるとみられています。調査を進めるためには湿度を下げることが前提となりますが、建物の換気を行うには、放射性物質を取り除く必要が出てくることも考えられ、東京電力は、現時点では具体的な検討は進んでいないとしています。原子炉建屋には、原子炉の冷却に欠かせない重要な設備や機器が集中し、事故の収束に向けて、いずれは作業員が立ち入らなければならないため、放射線量など、内部の状況を把握する調査は欠かすことができず、今後、調査をどのように進めていくのかが、新たな課題となっています。