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福島第1原発:チェルノブイリとの違い強調 高橋副外相

 【キエフ田中洋之】チェルノブイリ原発事故25年に合わせ、ウクライナのキエフで19日に開催された原子力エネルギーの安全利用に関する首脳級会議で、高橋千秋副外相は福島第1原発事故の現状を説明する一方、チェルノブイリ原発事故との違いを強調した。福島第1原発事故の国際評価をレベル7に格上げしたことで「チェルノブイリ並み」との認識が広まるなか、国際社会に「冷静な対応」を求めたものだ。

 高橋副外相は、福島第1原発事故について「大変遺憾で、極めて重く受け止めている」と述べ、政府が総力をあげて事態の収拾を進めていると強調した。

 その上で高橋副外相は、「チェルノブイリ原発事故とは原因も態様も異なる」と指摘。チェルノブイリでは原子炉そのものが爆発したが、福島では原子炉は自動停止し、大規模な火災は発生していない▽放出された放射性物質の総量は現時点でチェルノブイリよりはるかに少ないと試算されている▽福島では放射線障害で死亡した人はおらず、周辺住民にも放射線による健康被害は出ていない--と説明した。

 副外相は「世界保健機関(WHO)などは、(日本への)渡航制限など過度な対応は必要ないとしており、こうした情報を信頼してほしい」と述べた。

毎日新聞 2011年4月20日 9時39分

 

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