西宮市の路上で19日未明に暴力団員が刺殺された事件を受け、県警は、地域ぐるみで防犯を強化する「緊急防犯対策制度」に基づき、パトロールなどを展開した。1月に新設された同制度による防犯対応は初めて。
同制度は、今回の現場から約100メートルの民家で起きた建築士夫婦刺殺事件(昨年11月)など凶悪事件の続発を受け創設。凶悪重大で社会的反響が大きく、容疑者が逃走中の事件について、防犯会議など3段階の対策を事件発生地の警察署に義務づける。
この日、県警は第1段階の「初動防犯活動」として、周辺の小中学校5校と西宮市教委に緊急通報し、県警備業協会や甲子園防犯協会などに青色防犯パトカー計12台の出動を要請。甲子園署は学校周辺に警察官を配置し、パトカー6台で重点警戒。民生委員らと下校時の見守りも行った。
今後、西宮市や学校、防犯団体などを交えた会議で、防犯カメラ増設などの要望を聴き、防犯体制を強化する。県警生活安全企画課は「昨秋の事件現場と近く、住民の不安は大きいはず。要望を取り入れ、安心できる防犯環境を整備したい」としている。(小林伸哉)
(2011/04/20 08:30)
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