F組の名古屋グランパスは3戦を終えてグループ首位だったFCソウル(韓国)にアウェーで2−0と完勝した。チーム全体の運動量と自陣ゴール前の体を張ったプレーでリズムをつかみ、前半26分にMF金崎夢生(22)、後半36分にFW永井謙佑(22)がゴールを挙げた。ともに2勝1分け1敗の勝ち点7で並び、名古屋が直接対決の成績で上位となった。
H組の鹿島はホームの国立競技場で水原三星(韓国)と1−1で引き分けた。後半1点を先制されたがFW田代有三(28)のゴールで追いついた。ともに1勝3分けの勝ち点6で、得失点で水原が首位、鹿島は2位。
ケネディに代わって1トップで先発した永井が持ち前のスピードでFCソウルのゴールを割った。控えの選手も飛び出して祝福。歓喜の輪がチーム一丸を象徴していた。
1点リードの後半36分、永井は相手のバックパスを奪い取り、GKを抜き去り左足でゴールに流し込んだ。「主力がいなくて負けたと言われたくなかった。若手だけじゃなくチーム全体の自信になった」と胸を張った。最初の対戦でゴールを決めて、中央にスペースを与えてもらえなかった。「守備が頑張っていたので早く追加点が取れればよかった」と思いながらも、サイドで起点になり、得点機をうかがった。後半ロスタイム、接触プレーで背中を痛めて交代したが「痛かったけど大丈夫」と笑顔を見せた。
プロ初先発のルーキー吉田も「ミーティングで先発を言われてびっくりした」と緊張感を高めたが、先制点を呼び込む活躍を見せた。前半26分、ゴール前の小川に絶妙のスルーパス。「小川さんの動き出しが良かったのでパスを出しやすかった」。小川のシュートはGKに阻まれたが、こぼれ球を金崎が押し込み、先制点に絡んだ。「ミスも多く、ボールを奪われた」と反省したが、手応えも感じていた。
ボランチで途中出場した3年目の磯村も負けてはいない。「先発でなくて悔しかったが、緊迫した場面で出られて楽しかった」。1点リードの状況に、守備に重点を置き、相手FWにスペースを与えなかった。
新戦力の台頭に、MF小川は「ここに来ていないメンバーも落ち着いていられない。いい競争はチームに勢いをもたらす」と、チームの活性化を歓迎した。
ストイコビッチ監督は「若手と言われる選手も時に責任を求められる。全員に満足している」。昨季のKリーグ王者に、主力不在ながらアウェーで勝ちきった選手をたたえた。勝ち点を7に伸ばしたグランパスが、1次リーグ突破へ大きく前進した。
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