2011-03-20 23:37:13

いわき市内の放射能に関する大阪大学名誉教授のメッセージ

テーマ:いわき

いわき市のホームページに大阪大学名誉教授 チェコ工科大学客員教授
江 尻 宏 泰先生のメッセージが掲載されていました。転載させていただきます。

 先生がおっしゃっていることの要旨は、「留まって平常の活動し、復旧と物資調達に勤める事」「もし万一の事が起きても、実被害は原発敷地周辺に限られる」で、先生が心配しているのはむしろ、「間接被害で、移動による心労、疲労、野菜を食べない栄養不足、物資不足、経済停滞等」とのことです。

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福島県いわきの皆様
2011年3月11日14時46分の地震とそれに続く津波、さらに原発事故と放
射能による、皆様と周辺の方々の大災害とご苦労ご心労には、言葉を失い表現のすべもありません。余震も続き、今朝も7時12分に大きなゆれがありました。私の郷里のいわき市も、1部が30km 内にあり、震災と津波の実害、放射線不安、物資、水、ガソリン枯渇、それに人々の避難、等々、大変憂慮すべき事態と思います。1995年1月17日5時46分の阪神大震災に際しては、大阪大学核物理研究センター長として、復旧に努めた折、国内外から寄せられた多くの支援を思うにつけ、その何倍もの被害の今回の震災は、想像を絶するものです。心からお見舞い申し上げ、ご奮闘に敬意を表すと共に、何か私にできることがあればと強く思っております。
先週は、早速、大阪大学に向かい、文部事務次官の清水氏(磐高出身)とも協議し、大学の原子核研究者ができることとして、放射線計測チームを福島に派遣し、微力ながら支援の手伝いをされていただいております。
私は、原子炉工学や放射線医学の専門家ではありませんが、それに関連する原子核の物理学者なので、いわき地区やそれに近い、私の親族や知人からも相談されます。当面、もっても安全なのは、「留まって平常の活動し、復旧と物資調達に勤める事」と言っております。もし万一の事が起きても、実被害は原発敷地周辺に限られ(現場の従業員は十分防護する必要あり)、10日くらい、事態の推移を見極めるのが良いと考えます。大体は風向きによる一過性のものであるからです。
放射線は、日常、空から、空気中から、食物から、自分の体から等、年間2400マイクロシーベルト(世界平均)を浴びております。その量は、塩分が潮風の吹く海岸と山地で異なるように、場所によって、職場によって、何倍も、何十倍も変わります。胃の検査等でも相当浴びています。但し、塩分も量が過ぎると問題ですが、潮風程度なら、空気の綺麗ないわきが1番です。
私が案ずるのは、間接被害で、移動による心労、疲労、野菜を食べない栄養不足、物資不足、経済停滞等で、根拠のない放射線によって、実害が出ているのが残念です。必ずや、早晩、科学的に正しい認識の下、いわきがこれまで以上に発展し、大きく活動することで、世界に発信する中核になる事を信じております。またそのように微力を尽くしたいと思っております。
震災と言う大被害と、放射線という実体の伴わない大災害に戦っておられる皆様のご奮闘とご健康を祈ります。
3月22日 大阪大学名誉教授 チェコ工科大学客員教授
江 尻 宏 泰 (磐高6回卒)

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