東日本大震災の被災地で出た粗大ゴミを、川崎市が受け入れる方針を示しているのに対し、市民から「放射線を浴びたゴミを受け入れないでほしい」といった意見が多く寄せられていることについて、川崎市の阿部市長は、偏見に満ちた意見だとして、これまでどおり受け入れに向けて準備を進める考えを明らかにしました。
東日本大震災の被災地では、壊れた建物や家財道具などの大量の粗大ゴミが出て処理が追いつかなくなっているとして、川崎市は、市の浮島処理センターで受け入れる考えを示しています。しかし、この方針が明らかになった今月8日から18日までに、市役所に市民などから電話や電子メールなどで合わせて4770件の意見が寄せられ、その大半が「放射線を浴びたゴミを受け入れないでほしい」といった反対意見だったということです。これについて、阿部市長は19日の会見で、「汚染されたゴミが運ばれたら大変だと思われたのかもしれないが、汚染物質は区域外に搬出することがもともと禁止されており、川崎市が受け入れるのは一般のゴミだ」として、安全性に問題がないことを強調しました。そのうえで阿部市長は、「偏見に満ちた意見があったことは心外だ」と述べ、市民に冷静な対応を求め、これまでどおり受け入れに向けて準備を進める考えを明らかにしました。