記事入力 : 2011/04/19 09:20:01
核問題:「寧辺の核施設、放射能汚染が深刻」
「科学者は皮膚がはがれるなど満身創痍」
北朝鮮の核開発に携わった科学者の妻、キム・ヘスクさんは2009年11月、小説『人間でありたい』で、放射能汚染により満身創痍(そうい)となった夫の話を紹介した。キムさんは夫の様子を「皮膚がはがれて白い肉がむき出しとなり、歯も抜けて40代にして入れ歯になった。肝硬変もひどくなった」と表現した。
キムさん(1998年に脱北)の夫は、80年代から平安北道寧辺の核施設に勤務していた。韓国政府の当局者は「北朝鮮は国際原子力機関(IAEA)の安全基準を無視し、核施設を稼働してきたと聞いている。寧辺には5メガワットの黒鉛減速型原子炉やプルトニウム(核兵器の原料)抽出のための再処理施設などが集まっており、放射能汚染は驚くべきレベルだろう」と話した。
漢陽大原子力工学科のイ・ジェギ教授は「放射能で皮膚がはがれるほどなら、年間50ミリシーベルト以上の放射線を浴びていたはずだ」と語った。使用済み核燃料棒の冷却プールの水や再処理を終えた燃料棒など高濃度の放射性廃棄物に、安全装備が不十分な状態で触れていた可能性があるとの説明だ。一般人の年間被ばく許容値は約1ミリシーベルトとなっている。
北朝鮮の消息筋は「寧辺の科学者には脱毛や嘔吐(おうと)、めまいを訴えるケースが多いと聞いている」と話した。このため北朝鮮の高官たちは、海外の要人を寧辺に案内する任務を最も嫌がるとの話も聞かれる。
寧辺では約200人の科学者を含め、およそ3000人が核施設に勤務しているという。
アン・ヨンヒョン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) 2010 The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>