被爆者ら、航海で募金持ち帰る　「世界が原発事故に関心」

　非政府組織（ＮＧＯ）「ピースボート」の船に乗り、世界に核廃絶を訴えた被爆者らが１８日、横浜港に帰港し、記者会見した。航海中に東日本大震災が発生し、主宰者は「世界各地で開いた集会では福島第１原発に質問が集中し、関心の高さを感じる旅になった」と話した。

　「ヒバクシャ地球一周証言の航海」で、今回が４回目。寄港先のモロッコで震災の知らせを受け、船内やギリシャでの募金活動で集めた約１３５万円を持ち帰った。また、フィリピンのＮＧＯからは被災地のために水や衣類などの支援物資を預かった。

　参加した被爆２世の阪口博子さん（６１）＝長崎市＝は「被爆国がなぜ原発を持っているのかと聞かれた。被爆者にとって原発と原爆は同じで、耳の痛い質問だった」と振り返った。

　航海には政府の非核特使として被爆者８人と被爆２世１人が参加。１月２３日に横浜港を出港し、核保有国のインドなど１６カ国を訪れた。