米軍「比類なき能力」鮮明に 対リビア作戦で同盟国と格差 (2/3ページ)

2011.4.18 05:00

対リビア作戦に参加した米ノースロップ・グラマンの無人偵察機「グローバル・ホーク」=2010年7月21日(ブルームバーグ)

対リビア作戦に参加した米ノースロップ・グラマンの無人偵察機「グローバル・ホーク」=2010年7月21日(ブルームバーグ)【拡大】

 欧米の軍事能力の差を、そのまま軍事費の違いと言い換えることもできる。欧州防衛庁(EDA)によれば、米国は2009年に国内総生産(GDP)の4.9%を軍事費として投入した。一方、欧州連合(EU)加盟国は同1.67%だった。

 金額に換算すれば、米国の軍事費が7084億ドル(約58兆8890億円)だったのに対し、EU加盟国は2759億ドル。つまり、米国や英国、フランス、カナダなど28カ国が加盟するNATOの軍事費のうち、約4分の3を米国が支出している計算だ。世界的な景気後退やソブリン債(国債や公共機関債)危機などの影響で、欧州各国が軍事費を過去2年間で450億ドル減少したのに対し、米国は軍事費を増やし続け、その差は広がる一方だ。

 欧米の戦力差は作戦初日に、米国が120発以上のトマホークを発射したことでも明白だ。NATO加盟国の中で米国以外にトマホークを保有している国は英国だけ。専門家によれば、英国が保有するトマホークの数は約60発にすぎない。

注目サイト