事件【東日本大震災】東北駆けた、飛脚の意地 佐川、宅配再開へ社員奮闘+(2/3ページ)(2011.4.19 07:14

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【東日本大震災】
東北駆けた、飛脚の意地 佐川、宅配再開へ社員奮闘

2011.4.19 07:14 (2/3ページ)
避難所に荷物を運ぶ佐川急便のドライバー=宮城県女川町

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避難所に荷物を運ぶ佐川急便のドライバー=宮城県女川町

 新潟を経由し、運転を交代しながら山道を走った。仙台まで13時間の道のりが、「やけに早く感じた」(別所執行役員)。

社長自ら現地入り

 12日朝、安否確認や崩れた荷物の整理を黙々とこなす東北支社の社員たちの姿を見て、別所執行役員は「意外に元気だな」と思った。しかし、それは災害で生じた一種の興奮状態のためだった。

 13日に別動隊200人が東京から送り込まれたが、それは政府の緊急物資輸送のための人員だ。宅配再開には、東北の地理に精通した現地社員の力に負うところが大きい。燃料油の手配など、再開への下準備は進んだものの、日を追うごとに社員の目は生気を失っていった。

 報告を受けた平間社長は15日、急遽(きゅうきょ)現地入りした。この日の夕方、7階建てのビルの一室。カップラーメンが配られた支店幹部を集めた会議で、平間社長は「まず営業店止めでいい。(宅配を)再開したい」と力強く宣言した。その場にいた支社幹部は「長い夢から覚め、正気に返った感覚だった」と証言する。

 その夜、津波の恐怖を目の当たりにした社員を上層階に寝かせ、自分は2階で寝た。

                   ◇

荷物待ち解消、ドライブスルー作戦

 翌16日、50人ほどの現地スタッフを集め、サービスの一部再開を伝えた。みな被災者でもあり、表情には疲労の色が濃い。190センチ近い大柄な平間社長が顔をくしゃくしゃにして若い社員を抱き締め、背中をたたく。「がんばれ! がんばれよ!」。懸命に激励する平間社長の姿に、別所執行役員は「社員の顔に生気が戻っていくのがわかった」という。

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避難所に荷物を運ぶ佐川急便のドライバー=宮城県女川町

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