頼むぞ救世主!!FCソウル戦に向けた公開練習でダッシュする金崎=韓国・ソウルで(隈崎稔樹撮影)
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【ソウル伊東朋子】アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)F組の名古屋グランパスは18日、19日のFCソウル(韓国)戦に向けて敵地・ソウルで最終調整を行った。12日のアルアイン戦で2得点を記録したMF金崎夢生(22)は、けがでFWケネディ、玉田、MF中村ら主力3選手を欠くチームの救世主となる。
FCソウル戦に金崎はいつも以上に勝利という結果にこだわって挑む。2007年から3年間所属した大分時代、育成部長などの職にあった敵将の皇甫官監督に食事に連れて行ってもらうなど世話になった。
「僕だけじゃなく、いろんな選手とコミュニケーションを取ってくれた。成長した姿を見せたい」。そんな思いで臨んだ6日のFCソウル戦では、先制しながら後半失速し、1−1の引き分けに終わった。金崎自身もチーム全体の動きに手応えを感じていたが得点は奪えなかった。「ソウルの選手は球際に強く、難しい試合だった」と悔いを残した。
「FCソウルもいいチームだが、勝ち点3を取りたい」。強敵とのアウェー戦は厳しい試合になると覚悟はするが、「もう一度成長を見せる機会は残されている」と気持ちを奮い立たせた。
くしくもそのホーム戦で退席となった皇甫官監督は19日の試合で指揮を執ることはできないが、金崎の気持ちは変わらない。
12日のアルアイン戦で2得点と活躍しながらも「次の試合が大事」と、首位ソウルとの対戦を前に気を緩めることはなかった。その試合後、自分の体を気遣ってくれた優しい祖母の死を知らされた。タイトな日程だったが、告別式にも出席。気持ちを整理することはできた。
グランパスはFW玉田が戦列を離れている上に、右太もも裏痛のケネディも欠く苦しい状況で、昨季のJリーグとKリーグの日韓王者対決を迎える。「チームが苦しいときにこそ点を取る」。真価が問われる試合で、ようやく目覚めたアタッカーが敵地で再度、爆発する。
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