ライフ【東日本大震災】家族4人のためにも…39歳消防団員「陸前高田で生きていく」+(2/2ページ)(2011.4.18 14:09

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【東日本大震災】
家族4人のためにも…39歳消防団員「陸前高田で生きていく」

2011.4.18 14:09 (2/2ページ)
2階部分だけ残った自宅で、家族との思い出の品を捜す小島幸久さん=17日、岩手県陸前高田市

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2階部分だけ残った自宅で、家族との思い出の品を捜す小島幸久さん=17日、岩手県陸前高田市

 仲間の消防団員が、自宅近くの車から4人の遺体を見つけたのは1週間後。「ごめんな」「寒かったべ」。泣き崩れ、道路脇に並べた妻と娘の名前を叫びながら一人一人抱き締めた後、添い寝させた。「離れ離れじゃなくて、みんな一緒で本当によかった」

 千空ちゃんが通っていた小学校で避難生活をしながら、消防団員の仲間と活動を続ける。流されてしまった電器店は、同じように妻と子供を失った同業者の友人と協力して再開する計画だ。

 仕事を失い、生活のため地元を出ていく人も多い。それも一つの選択だろうとは思う。でも自分は、生き残った人間が、ここが故郷なんだと思える町をもう一度つくりたい。「外へ出ている人たちが帰りたいときに帰れる場所を取り戻したい」

 3月下旬。震災前に応募した千空ちゃんの硬筆の作品が書道コンクールに入選し、家族みんなで展示会に行くつもりだったことを思い出した。一人で出掛けた盛岡の県民会館。「おじまちひろ」。頑張り屋だった娘が書いた名前は枠いっぱいに大きく、力強かった。

 親子連れの姿を見ると「もし娘がここにいたら」と悲しみに押しつぶされそうになる。しかし後ろばかり見ているわけにはいかない。「家族が胸を張ってみていられるような人生を生き抜く。きっと見守ってくれている」。あすもまた、少しずつ、前に進もう。

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2階部分だけ残った自宅で、家族との思い出の品を捜す小島幸久さん=17日、岩手県陸前高田市
がれきの中、捜索作業を続ける警視庁の機動隊員=18日午前、岩手県陸前高田市小友
がれきの撤去作業を続ける陸上自衛隊員=18日午前、岩手県陸前高田市小友町

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