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福島第1原発:4号機建屋の汚染水は5m…保安院訂正

無人ヘリで撮影した福島第1原発4号機の原子炉建屋上部。壊れたコンクリートの壁の向こうに原子炉格納容器の設備が見える=2011年4月15日午前撮影(東京電力提供)
無人ヘリで撮影した福島第1原発4号機の原子炉建屋上部。壊れたコンクリートの壁の向こうに原子炉格納容器の設備が見える=2011年4月15日午前撮影(東京電力提供)

 東京電力福島第1原発4号機の原子炉建屋地下にたまった、放射性物質を含んだ汚染水の水深が約5メートルに及ぶことが18日分かった。地下階はほぼ水没しているという。既に判明している1~3号機タービン建屋の汚染水約6万トンとは別で、処理のための新たな対策が必要になる見通しだ。

 経済産業省原子力安全・保安院は18日午前「深さ20センチ」と発表したが、その後、見積もりに誤りがあったとして訂正した。保安院は東電から示された写真を基に、階段1段分が浸水していると誤認。写真の撮影者ではなく別の担当者からのまた聞きで判断していた。保安院の西山英彦審議官は「間違ったでは済まされない。正確な情報の把握、伝達を行うよう(組織内部に)周知した」と陳謝した。

 汚染水の線量は、建屋北西側では毎時0.1ミリシーベルト、北東側では同100ミリシーベルトと、差が大きいことも分かった。4号機では、タービン建屋地下にも汚染水があり、処理方法は決まっていない。

 一方東電は18日、2号機の使用済み核燃料プールの水に含まれる放射性物質の分析結果を初めて発表した。核分裂生成物のセシウム137とヨウ素131が高く、東電は「プール内の使用済み核燃料が損傷したか、原子炉格納容器から移動した可能性がある」とみている。

 東電は16日、プールに浮かんだごみなどを回収する「スキマーサージタンク」の水400ミリリットルを採取して分析。セシウム137が1立方センチ当たり15万ベクレル、ヨウ素131が同4100ベクレル検出された。東電によると、セシウム137の濃度は事故前の53万倍。2号機では3月15日、格納容器下部付近で爆発が発生。今月18日のプールの水温は71度で、平常時の倍以上という。【山田大輔、関東晋慈、中西拓司、大島秀利】

毎日新聞 2011年4月18日 21時58分(最終更新 4月19日 0時47分)

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