経済・IT【東日本大震災】関電3原発、津波想定「2メートル未満」 低さ際立つ2011.3.25 09:07

[経済・IT]ニュース トピック:津波

  • メッセ
  • 印刷

【東日本大震災】
関電3原発、津波想定「2メートル未満」 低さ際立つ

2011.3.25 09:07

 関西電力が福井県の若狭湾に面した美浜(美浜町)、大飯(おおい町)、高浜(高浜町)の3原発で想定する地震による津波の最大波を、いずれも高さ2メートル未満としていることが24日、分かった。関電は「日本海側には海溝型プレートがなく、大型津波は発生しない」と強調するが、福井県内や島根県の日本海側にある他社の原発の想定と比較しても低い数値。東日本大震災による福島第1原発の事故を受け、今後、対策の見直しも迫られそうだ。

 気象庁によると、今回の震災では、福島第1原発の北方約40キロの福島県相馬市で「7.3メートル以上」の津波を観測。同原発では原子炉などの冷却機能を失って深刻な事故につながった。

 関電では福井県内の各原発で想定される津波の高さについて、土木学会が平成14年にまとめた手法を用いて算出。津波の最大波は、美浜1~3号機が1.53~1.57メートル▽高浜1~4号機は0.74~1.34メートル▽大飯1~4号機は1.66~1.86メートル-と想定する。

 関電は、各施設の海抜が想定値を上回っていることから、対策上問題はないとしている。

 18年に改定された耐震設計審査指針に基づき、津波想定の再評価も進めているが、従来の想定と大差はない見込みという。

 一方、3原発に近い日本原子力発電の敦賀原発(敦賀市)は2.8メートル、日本原子力研究開発機構のもんじゅ(同)は5.2メートルを想定。同じ日本海側にある中国電力島根原発(松江市)でも、5.7メートルとしている。

 関電の広報担当者は「場所によって地形は異なるので、他社の原発より想定が低いというのは偶然だろう。ただ、福島第1原発の事故もあったので、今後しっかり対策を考えないといけない」と話している。

 ■今回の震災で再考を

 釜江克宏・京都大原子炉実験所教授(地震工学)の話「若狭湾周辺で想定される地震は、最悪でもマグニチュード8レベルの活断層型。海溝型の東日本大震災と比べると小さく、津波を2メートル未満と想定しても不思議でない。ただ、今回の震災では想定外の津波が起きており、2メートル未満の津波しか来ないという想定は今後、考え直さないといけない」

関連ニュース

  • [PR]
  • [PR]

[PR] お役立ち情報

PR
PR

編集部リコメンド

このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。
© 2011 The Sankei Shimbun & Sankei Digital