2011-04-17 22:28:05

南相馬市にて

テーマ:ブログ

遅くなりましたが、15日の報告です。


朝6時30分からTMATの出発式、8時から仙台徳洲会病院の朝礼に出席後、


車で移動し、福島県立医科大学を訪問。


大学病院内に設置されている原発対策本部で、


原発被災者及び原発対策従事者に対する除染室や処置室を視察。


その後、南相馬市へ向かう。


津波により死者456人、行方不明者1018名を出した被災現場を視察。


津波に飲み込まれ100人以上の犠牲者を出した特別養護老人ホームで手を合わせ、ご冥福をお祈りする。




南相馬市立総合病院の及川友好副院長を訪ねた。


及川副院長は原発事故後、南相馬市が国からの自主避難、屋内待機の指示を受けてからも、


一日も病院から離れることなく医療を続けている。


顔色が異常に黄色く疲労が極限に達していることがすぐに見てとれる。.


そして短い時間であったが、南相馬市が置かれている極めて過酷な現実を話して下さった。


原発事故後、この地域は自主避難、屋内待機だけではなく、


病院や福祉施設においては入院及び施設利用者を30㎞圏外に出すという国の指示を受けた。


人口約7万人の南相馬市の住民は一時1万人ほどにまで減ったが、


多くの住民が地域に戻り始め、現在は約3万人くらいが生活をしている。


住民が地域に戻り、街は動き出したことから、医療のニーズが高まっており、


病院の外来には多くの患者さんが来られるが、


医師、看護師、スタッフが大幅に減ってしまったことからパンク状態になっている。


残念ながら、この地域が原発から30キロ圏内であることから、


応援の医療関係者からも敬遠されており、県や国からも派遣されていない。


そして、新たに計画的避難区域に指定されたことから、


現在も重症患者さんの入院が認められておらず、


その上、緊急避難地域ではドクターヘリが飛行禁止になっているそうだ。


何故、救急車はよくてドクターヘリは駄目なのか、私にも理解が出来なかった。


そして政府がこの地域を計画的避難区域に指定をして入院を認めないのであれば、


30キロ圏から出来るだけ近くに入院患者を引き受ける拠点病院を設置してほしいと強く望まれていた。




そして及川副院長の話から驚愕の事実を知る。


3月12日の一度目の水素爆発の際、2㎞離れた双葉町まで破片や小石が飛んできたという。


そしてその爆発直後、原発の周辺から病院へ逃れてきた人々の放射線量を調べたところ、


十数人の人が10万cpmを超えガイガーカウンターが振り切れていたという。


それは人から人へ二次被曝するほどの高い数値だ。


しかし、そこまで深刻な状況だったとは政府から発表されていない。


病院に立ち寄ることなく、被ばくしたことも知らずに、家に帰って子供を抱きしめた人もいたかもしれない。




そこで爆発から2時間後の枝野官房長官の会見を読み直してみた。


水素爆発は起こったが、格納容器が破損していないことを確認した。


従って原子炉格納容器内の爆発ではないことから、放射線物質が大量に漏れ出すものではない、と述べている。


13日での会見では、バスにより避難した双葉町の住民の皆さんのうち、9名が測定の結果、被ばくの可能性があることを発表した。


この9名のうち4名の方が少ない方で1800cpm、多い方で40000cpmの数値。


その上で専門家の判断によると、こうしたものが表面に付いているという状況に留まるならば、健康に大きな被害はない、とも述べている。


南相馬市立総合病院で確認されているだけでも十数人が高い数値を示していた深刻な状況が、


政府には情報として上がっていなかったのだろうか。


もし情報が上がっていなかったとしたら、官邸の情報収集能力と危機管理の観点から問題であり、


情報が上がっていたのに意図的に正確な情報を伝えなかったのであれば、、


それは政府による隠蔽であり、犯罪に近い行為と言える。





南相馬市に対し政府が自主避難、屋内退避と中途半端な指示をした結果、


物資が完全に途絶え、完全に孤立。


その上、人々の生活や医療支援などについて何の手だても尽くさなかったことから深刻な混乱を招いた。


その混乱は震災から一カ月以上経った今も続いている。




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コメント

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1 ■無題

信じられません。
恐ろしいことです。

本当のことは、
隠蔽されたままなのですね。

2 ■無題

枝野さんは確か弁護士だったですね。
そういう意味では口は達者かも知れません。
しかし政治家の立場での彼の言葉に不信感を抱く人は大勢いるとおもいます。

3 ■驚愕

洗い流せば大丈夫、とかいうレベルでは無かったんですね(汗)

情報は、例えば国防上開示するわけにはいかない類のものがあります。…が、このたびの情報操作が、果たして正しいこととは思えませんね。
隠匿するならば、少なくとも被曝した方々に即時適切な治療と対応を、「100パーセント」行った上でなされなければなりません。避難先や移住先での生活の保障も。

パニックを抑えるためになら、犠牲者を出しても良いという法はないはずですから。


被災地での医療職者の方々の健康状態も大変気になるところです。
TMATはそういった現地の医療職者のケアにも取り組んでいると聞き及んでいます。
どうか、頑張っていただきたいです。
もちろん、ご自身らの健康にも配慮いただきたいです。

4 ■政府自体が被災してしまったのですね

能力以上難題という津波が押し寄せて政府が被災してしまったことを改めて認識しました。
今日から認識を改めます。そのようなものに頼ろう改善を期待すること自体が間違っている。
世界に助けを請うて見ようと思います。
このまま、そこにある命が失われるのを見ているわけにいきません。
虎先生が元気なら政府に多分、「ふざけるな」と殴りこみしているでしょう。
虎先生が動けない分、助けてもらった私が動かないのは、信義に劣ります。
二次被害者を決して出してはなりません。
その命を助けるためにどれだけの命が失われたのか。。。

5 ■あちこちの役所

米国は発表データを信用していなかった。だから米軍に独自にデータ収集を計った。枝野氏の態度を見ても、一見殊勝なようで責任逃れがみえみえ。いまの政権の体質なのでしょう。

6 ■え?!

昨夜一回読んだのですが、少々アルコールが入っていたので、勘違いかと思い、今朝読み直しました。

でも…やっぱり…?

言葉もありません…

7 ■やっぱりですか。

徳田先生、おはようございます。
南相馬への視察お疲れさまでした。
また貴重な現地の生の声を聞かせて頂き、ありがとうございました。
と感謝しつつ
やはり、政府は故意に隠蔽しているように思います。
また、避難地域についての国からの支援が全く足りていないんですね。避難地域の医療従事者や患者さんに対して、【政府が避難しろと言うのなら、過労と物資不足が生じないようにするべき】ではないでしょうか!?
政府の今の対応は

【避難しろよ】
【後は自分たちで何とかしろよ】

と言っているようなものです(怒)
あまりにも無責任過ぎます。

そして、隠蔽というものは日本人の命を蔑ろにする大罪です。また諸外国からの信用は失墜しています=国益の大損害=やっぱり大罪です。

自民党は、野党だからこそ、出来ないもどかしさがあると思いますが、私たち国民もある意味政府の起こした人災の被災者です。一刻も早く隠蔽体質を止めさせて下さい。

8 ■政府は

「汚染は実は同心円状でなく、まだら汚染」ということも隠蔽しているようですね(関西TV『スーパーニュースアンカー』の青山繁晴氏の話より)

それにしても恐ろしい。

9 ■無題

政府は、知った上で隠蔽してるのだと思います。
政府の対応を見ていると、早い段階で見捨てたとしか思えない・・・・

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