「世界中の音楽ファンに、音楽を通じて感じることのできる癒しや楽しさをとどけたい。そうした思いからTDシリーズはスタートしました」そう語るのは、富士通テン(株)TDビジネス推進チームの白井雅也さんだ。色づけやクセのないスピーカーで音楽を楽しむことができれば、アーティストが演奏に込めた思いや情念がストレートに伝わってこない。白井さんはそう言いたいのだろう。
仮にノンカラレーションのスピーカーユニットを用いたならば、スピーカーの個性、キャラクターを決めるのは、エンクロージャーやクロスオーバーネットワーク(部品やその回路構成)が支配的だ。TDスピーカーの設計コンセプトは、まさにそれらのファクターを周到に排除することにあった。「TD=タイムドメイン」という理論は、それまでの再生周波数拡大の方向性とは大きく異なり、時間軸方向の要素、例えば余韻や音の立ち上がりを重要視したのだ。
同社のホームページを開くと、内外の多くの著名アーティストがTDスピーカーのユーザーとなっていることがわかる。楽器の生音に日々直接触れている音楽家の耳は、やはり時間軸方向の変化に敏感なのだろう。TDスピーカーのその唯一無二のサウンドに勝算の言葉を寄せているのだ。
それはすなわち、私たちリスナーにとっても、お気に入りのアーティストが惚れ込んで使っているスピーカーを自宅のAVシステムで愛用しているんだという安心感と信頼につながると思うのだ。
一方では、日本のみならず、英国をはじめとする欧州諸国のオーディオビジュアル専門誌において数々のアワードを受賞していることからも、TDスピーカーの音に民族の嗜好や文化、音楽ジャンルの適才を超越した、再生音としての普遍性があることも確認できるのだ。
白井さんが締め括る。
「今後も、オーディオの機器を所有するという楽しみだけでなく、音楽や映画を再生して楽しむことのできる、使ってそのよさが実感できるスピーカーとして、世界中の様々な地域の方々、多くの皆さんにユーザーになっていただき、TDスピーカーを熱くご支持いただけたら幸いです。われわれはそう願ってTDスピーカーの可能性を追求し続けています」
| 2001年3月28日 |
512 ¥210,000(ペア)
→ECLIPSE TDブランド初のスピーカーとして発売された512は、12cmフルレンジユニットを搭載していた。この当時から既に本文中で紹介したフローティング構造を採用する
A502 ¥105,000(2chアンプ)
508PA ¥105,000(ペア、アンプ付)
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2003年6月3日
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307 ¥33,600(ペア)
307PA ¥105,000(ペア、アンプ付)
316SW ¥84,000(サブウーファー)
←5.1chシステムとして6.5cmユニットを搭載した307とサブウーファー316SWの組合せも発売。316SWは16 cmウーファーユニットを内蔵し40Hzからの再生に対応していた
307TH ¥168,000(5.1chパッケージ)
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| 2004年4月19日 |
307PM-1 オープン価格(5.1chパッケージ) |
| 2004年11月16日 |
TD712z ¥588,000(ペア)
→TDスピーカーの最高級機としてTD712zが発売された。ユニッ ト口径は512と同じ12cmだが、 磁気回路やスタンドを含めた構造を見直すなど、徹底的な改善が図られている
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| 2005年9月13日 |
TD510 ¥184,800(ペア) |
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←TD510、TD508II(写真)が登場。それぞ れ512、508の後継機という位置づけで10cmと8cmのユニットを搭載する。スタンドの角度調整も可能で、天吊り設置にも対応できるようになった |
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TD508II ¥88,200(ペア) |
| 2006年3月24日 |
TD725sw ¥441,000(サブウーファー)
→25cmユニットを背中合わせにしてシャフトで固定するという独自の方式を採用したサブウーファー、TD725swを発売。卓越したパフォーマンスで、未だにHiVi視聴室のリファレンスとして活躍中だ
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| 2007年3月12日 |
TD307II ¥37,800(ペア)
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←307の後継機として、6.5cmユニット搭載のTD307IIが登場。再生周波数帯域を100Hz ~25kHzに拡大した。なお、専用アンプとのセットTD307 PA IIや 5.1chセットも同日発売されている
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TD307PAII ¥63,000(セット)
TD307THII ¥63,000(セット)
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| 2009年2月2日 |
TD712zMK2 ¥693,000(ペア、レギュラースタンド)
2009年2月にTD712zの再生周波数帯域を拡大した新しいフラッグシップ 、TD712zMK2が発表された。その1年後にはホームシアター用としてブラックモデルも追加されている
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