長崎市の伊藤一長前市長=当時(61)=が選挙運動中に暴力団幹部に銃撃され、命を奪われた事件から17日でちょうど4年。くしくもこの日に告示を迎えた市長選の3候補者や陣営は、それぞれ事件について発言し、前市長の思いを引き継ぐことを誓った。JR長崎駅近くの銃撃現場には献花台が設けられ、多くの市民が花を手向けた。
献花台前の国道を、市長選と市議選の選挙カーが次々に通り過ぎる。3候補者は、午後から夜にかけて相次ぎ献花台を訪れ、黙とうした。候補者たちは「前市長の街づくりへの思いを受け継ぎ、活気ある長崎になるよう頑張りますと報告した」「選挙戦での不幸な事態が二度とあってはならない」などと語った。
事件当時、伊藤氏の選挙事務所に通っていた長崎市の女性(71)は「昔から応援していて、あの日は事務所から帰る途中だった。まだ殺害された実感が湧かず、今年の選挙は正直どうでもいい」と献花台で涙ぐんだ。
前市長の高校の後輩に当たる市内の自営業男性(57)は「友人の子どもが東日本大震災で亡くなり葬式の帰りに来た。ただ冥福をお祈りし、安全な街であってほしいという気持ちだ」と、かみしめるように語った。
=2011/04/18付 西日本新聞朝刊=