金本の連続試合出場ストップは喜ばしい|野球史

一昨日の試合で阪神の金本知憲の連続試合出場が1766試合でストップした。金本のためにも野球記録のためにも、本当に良かったと思う。

チームや本人が最初から「今日で終わらせよう」と決意したわけではない。本人の申し出で先発を外れはしたが、試合終盤の8回2死一塁に代打で出たのは、連続試合をつなぐためでもあった。しかし若い一塁走者の俊介が盗塁失敗でチェンジ。この時点で金本にはまだ希望があった。次の9回に外野守備について1回を守りきったら、連続試合はつながったのだ。しかし金本は守らなかった。14日の甲子園での広島戦で、左飛を追いながら素人のように転倒してしまったことが、本人の気持ちを萎えさせたのではないか。金本は、自らの意思で連続試合出場を断ち切ったのだ。
昨年、連続イニング出場が途絶えた金本だが、以後も連続試合出場はつながっていた。途中交代したり、代打に立ったり。率直にいえばそれは、チームと金本が結託した「やらせ」だった。

それがいかに異様かと言う傍証。昨年の金本は全試合に出場しながら規定打席に50も足りなかったのである。これは75年に及ぶNPBの歴史でも初めての事。MLBでも恐らくない珍記録だ。昨年の時点ですでに、記録としての価値は大きく減じられていたと言って良い。

そもそも衣笠の記録とは今季初めの時点で400試合以上の開きがある。これを本気で狙うとすれば、金本は47歳までこんな形で無理をしなければならないことになる。土台不可能である。いつ誰が引導を渡すのかが焦点になっていた。球団あるいは真弓監督がその断を下すべきだったが、結局本人が幕引きをしたのだ。

インタビューではさばさばしていたし、高校の後輩でもある俊介に対する気遣いも見せていた。気持ちも楽になったのだろう。
ベテランになって走攻守すべてで貢献することが出来なくなったなら、若手にレギュラーの席を明け渡すのが理だと思う。そしてベテランは残っている力と経験で、チームに貢献すれば良いのだ。金本はこれから良い味を出すのではないか。今こそ奮起を促したい。

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