◇WBA世界女子ミニマム級王座統一戦
WBA世界女子ミニマム級(47・6キロ以下)の王座統一戦が17日、大阪府の豊中市よみうり文化センター千里中央で行われ、正規王者・多田悦子(29)=フュチュール=が暫定王者イベス・サモラ(22)=メキシコ=に3−0の判定勝ち。王座統一と5度目の防衛に成功した。
「世の中は今、大変な状況で、一人でも多くの人に元気になってもらいたいと思って戦いました」
兵庫県西宮市出身。1995年の阪神大震災の時は友人を亡くした。だから、東日本大震災の被災者、そして元気のない日本に、自分なりのメッセージを伝えたかった。
高校時代は女ケンカ番長と呼ばれた。路上で男10人にけんかをふっかけた武勇伝もある。5度の防衛は富樫直美(ワタナベ)、小関桃(青木)に並ぶ日本人女子の世界王座最多防衛記録。しかし本人は「防衛記録に興味はない。生きてることが実感できるスポーツ。一人でも多くの人に知ってもらいたい」と、認知度の低い女子ボクシングを世の中に広めたいと思っている。
所属ジムの平山靖会長は「次の防衛戦はラスベガスでやるのも選択肢」とビッグプランをぶちあげた。控室でシャッターを切るカメラマンに、女番長は「写真、ガーンとお願いします。ボクシングを盛り上げていかないと」とおちゃめに笑った。 (竹下陽二)
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