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★スペシャルインタビュー
梶浦由記 『FICTIONⅡ』 スペシャルインタビュー 4
FictionJunctionとしてではなく、Kalafinaのプロデューサーでもなく、梶浦由記が“素直に聴きたい”曲を作り、1枚に集約。異界と現世の狭間を行き来するかのような幻惑的な音、郷愁をかきたてる音など、“梶浦由記”に満ちたソロアルバム『FICTION Ⅱ』について聞く。


真下監督とエミリーには相性の良さをすごく感じます

――今作は『エル・カザド』から3曲、前作は『NOIR』から3曲。真下耕一監督との相性の良さはご自身でも感じますか?

梶浦 それはすごくありますね。音楽を聴かせる、大胆な使い方をされる方なんですよ。アニメーションで使われる曲って普通は約1分半ぐらいで、それ以上長いと「使いにくい」と仰る方も多いんです。でも、真下さんから来る(曲を発注時の)メニューはすごく長くて。4分、5分、4分と(いう指示で)、フルアルバム4枚分ぐらいの分数なんです。使われないなら「そんなにいらないでしょ」とも言えるんですけど、真下さんの場合は使ってくださるので(笑)。時間はかかるし大変ですけど、やり甲斐はありますね。勉強にもなるし。だから、真下監督とお仕事をさせていただくのは楽しいですよ。見ていて、「いつまで流れるんだろう、この音楽」って思いますからね(笑)。

――「forest」「I reach for the sun」は、新曲でも組んだエミリー・ビンディガーがヴォーカルを担当しています。

梶浦 他の歌い手さんだとその人に合わせて曲を書かないとダメなんですけど、エミリーはすごく楽なんですよ。私が好きなようにメロディを書くと、“エミリーになる”んです。声的にも、キー的にも。そういう方ってすごく貴重ですね。エミリーさんは相性がすごくいいんでしょうね。

――発売記念として、1ヶ月限定でラジオもやられていますね。緊張などはなかったですか?

梶浦 3年くらい、一人でラジオ(『梶浦由記のサウンドスケッチ』)のパーソナリティをやっていましたし、See-Saw時代もレギュラーでやっていましたので緊張はなかったです。何より、ラジオは音を聴いていただけるので話が早いというか、おしゃべりを多少失敗しても後で音を流せるという気楽さはありますね。皆さんからのメールも嬉しいし、たまに「ラジオをやってみたいなぁ」なんて思うんですよね。『サウンドスケッチ』って好きな曲ばかりガンガンかけて、それについて熱く語っていたんですけど、台本はないし、選曲も自分でやるので準備が大変で、続けられなくなったんです。今になって「すごく面白かったな」と思うので、そんな番組をまたやってみたいですね。


つづく


Text/清水耕司(超音速)
2011/04/07 16:00:00