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★スペシャルインタビュー
梶浦由記 『FICTIONⅡ』 スペシャルインタビュー 3
FictionJunctionとしてではなく、Kalafinaのプロデューサーでもなく、梶浦由記が“素直に聴きたい”曲を作り、1枚に集約。異界と現世の狭間を行き来するかのような幻惑的な音、郷愁をかきたてる音など、“梶浦由記”に満ちたソロアルバム『FICTION Ⅱ』について聞く。


メロディがしっかりとして歌詞がきちんと乗り、歌物として聴ける曲を

――既存曲からはどのように選んでいきましたか?

梶浦 それは単純に、サウンドトラックに作った中で、メロディがしっかりしていて、きちんと歌詞が乗っていて、1曲の歌ものとして聴ける曲を選びました。

――新録された曲も多いですね。

梶浦 そうですね。「E.G.O.」なんかは完全に録り直しで、ほとんど別曲だと考えています。昔のもあまり聴いていません。というか、実は私は全くこの曲を入れようとは考えていなかったんですよ。でも、スタッフの何人かが「エゴやろうよ」って言ってきて。当時は“エゴ”と呼んでいたんですが。で、どれ? と聞いたら「タラターラター」って歌われて。すぐに思い出したんですけど「いいよ別に、新曲作るから」と断ったんですよ。それでも会うたびに「やろうよ」と言われるし、そのうちにどんどん頭の中でメロディが回りだしちゃって。「ヨドバシカメラの音楽が鳴り止まない」的状態だったんですよ(笑)。で、最後の最後には、ビート物の新曲を作っていたのに頭の中で流れ出して、その曲がつまらなく感じてきちゃったんです。で、レコーディング当日の朝にこの曲のオケを作り始め、昼にはレコーディングをしてました。スタッフさんがスタジオに来たら、別の曲を録っていたというとんでもない状況でしたね(笑)。なんかねぇ、えげつないメロディーなんですよ(笑)。ダサーい、ね。でも、そういうメロディに取り付かれることって時々あって。「そういうダサ系メロをずっとやっているような場所に立ち返るのもいいかな」と、これは後から思いました。ちょっと事件な曲でしたね。

――“今の梶浦由記”になったと思いますか?

梶浦 どうだろうなぁ。ミックスも含めて「してもらったなぁ」と思いますね。やっぱり、朝8時からアレンジし始めて、昼の1時にはレコーディングしていただけに、かなり悩みながらレコーディングをしてしまって。その時は素材だけを録って帰って、家でも練り直したんですけど、アレンジもかなり悩んでしまいましたね。普段は、ものすごく悩んだものをミックスに持ち込むことはしないんですけど、「これは(ミックスに)頼ってもいいかな」と思ったんですよね。なので、何度もお世話になっているエンジニアであるNYのトニーさんという方に「かっこよくしてね」と言って、かっこよくしてもらいました(笑)。


つづく


Text/清水耕司(超音速)
2011/04/06 16:00:00