2011年4月6日13時13分
東京電力の勝俣恒久会長(左手前)に抗議文を読み上げる全漁連の服部郁弘会長=6日午前10時59分、東京都千代田区、竹谷俊之撮影
抗議文を手渡され、全漁連の服部郁弘会長(手前右)らに頭を下げる東京電力の勝俣恒久会長(左手前)=6日午前11時1分、東京都千代田区、竹谷俊之撮影
東京電力福島第一原子力発電所から放射能に汚染された水が海に大量に放出された問題を受けて、全国漁業協同組合連合会(全漁連)の服部郁弘会長が6日午前、東京・内幸町の東京電力本店を訪れ、勝俣恒久会長に抗議文を手渡した。
服部会長は「全国の漁業者が強い怒りと憤りを感じている」と抗議。体調不良を訴えて入院した清水正孝社長に代わって先月30日から陣頭指揮を執る勝俣会長は「大変なご迷惑をかけて心からおわび申し上げます」と陳謝した。
「人為的に汚染水を海に放出した暴挙は許されない」と憤る服部会長は、東電の広瀬直己常務にも「すべての原発をストップして欲しい」などと訴えた。広瀬常務は「高濃度の汚染水を流さないための対策の一つだった」と釈明したが、全漁連関係者は「海はごみ捨て場じゃない」と怒った。
福島第一原発からの汚染水放出は4日夜に始まった。2号機の原子炉内の水とみられる高濃度の放射能汚染水も海に流れ込んだ。
福島第一原発から約70キロ南の茨城県北茨城市沖で1〜4日に捕獲されたイカナゴからは、基準値を超える放射性物質が検出され、茨城県内の全漁協がイカナゴ漁を中止している。
水産庁には、東電が放射能汚染水の放水を公表した4日夜の直後から、福島、茨城両県周辺の漁業者から怒りの声が殺到している。