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【プロ野球】

福井 涙の1番出セ 因縁の巨人打線ねじ伏せた!

2011年4月18日 紙面から

巨人戦に先発し、プロ初勝利を挙げた福井=マツダスタジアムで

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◆広島4−3巨人

 目頭を押さえた。お立ち台で、広島のドラフト1位ルーキー福井優也投手(23)は「きょう来てくれている両親に…」と口にして黙り込んだ。早大の同級生である日本ハムの斎藤が初勝利を決めた44分後、プロ初登板、初先発で手にした白星。「(喜びを)両親に伝えたいです」。声を震わせて、ぬれたほほをそっとぬぐった。

 早大のきずなが演出したドラマだったのかもしれない。登板前日、斎藤と「頑張ろうね」とメールを交換。偶然にも重なったデビュー戦の健闘を誓い合った。9回、味方が1点差に迫られると、ベンチで不安げな表情を浮かべて「やっぱりオレは持っていないのかな…」。そう思ったのは考えすぎ。斎藤と同じく甲子園の優勝投手は、勝負運を持っていた。「2人とも勝てて良かった。これからも意識し合ってやっていきたい」

 直球とスライダーの切れが抜群だった。3回は坂本に適時打、4回は高橋にソロを浴びたが、連打は許さない。7イニングで6安打、7奪三振、2失点の力投だった。愛媛・済美高の3年秋に高校生ドラフトで巨人から4巡目指名を受けながらも入団を拒否。一浪した末に早大に入学した。因縁ある相手からつかんだ勝ち星。「成長した姿を見せられたかな」。多くは語らなかったが、5年分の思いを投球に込めた。

 試合後はベンチ裏で、父・俊治さん(52)、母・明美さん(53)にプロ1球目のボール、ラミレスから奪った初三振のボール、そしてウイニングボールと3つの白球をプレゼントした。「学費や野球道具の面倒を見てもらった。自分1人でここまできたとは思っていないので、すごく感謝しています」。喜びに浸る目元に、もう光るものはなかった。

  (永山陽平)

 

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