被災地にカズ来た〜!13500人大歓声

 被災地の子供たちとボール運びゲームを楽しむ横浜FC・三浦知良=岩手県営運動公園陸上競技場(撮影・吉澤敬太)
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 被災地の子供たちとボール運びゲームを楽しむ横浜FC・三浦知良=岩手県営運動公園陸上競技場(撮影・吉澤敬太)

 「親善試合、横浜FC2‐0盛岡」(17日、岩手県営運動公園陸上競技場)

 元日本代表FW三浦知良主将(44)が所属するJ2横浜FCが17日、盛岡市での親善試合(岩手県営競技場)に、岩手県内の被災地の子どもたちを招待した。東北社会人リーグ1部・グルージャ盛岡との試合は、久慈など被災地8カ所から招かれた451人を含む1万3500人が観戦。大声援に応え、カズはフル出場してチームは2‐0で快勝した。試合前には、募金や炊き出しが行われ、小中学生とのミニゲームでも交流。カズらが被災地に“力”を与えた。

  ◇  ◇

 晴れやかな表情で、カズが率直な感想を口にした。「子どもたちの笑顔を見られてよかった。一緒の空間で喜ぶことができてよかった」。言葉通り、子どもたちの表情は終始笑顔で満たされていた。被災地に足を踏み入れた、キングの存在感が際立っていた。

 地元チームとの試合で、スタンドを沸かせ続けた。前半6分に放った強烈なシュート、そして後半22分に見せた“またぎフェイント”‐。カズらしいプレーで、1万3500人を大いに喜ばせた。試合後には『がんばろう!東北 がんばろう!いわて』と書かれた横断幕を手に両チームの選手がスタジアムを1周。競技場全体から無数の歓声が飛んだ。

 試合前、10人で組を作るミニゲームでは、カズのもとに子どもが集中した。「カ〜ズ〜」「カズッ〜」。スタンドにいる子どもたちからも無数のコールが鳴り響いた。

 16日は練習試合(対J2草津)に70分近く出場。この日は朝に移動し、そのまま60分フル出場。Jリーグ再開まで1週間を切る中、異例の強行スケジュールだ。それでも、疲れた姿は一切見せない。「楽しかった」。カズはサラリと言い切ってみせた。

 「自分が行って喜ばれるのか不安」と漏らしたこともあった。しかし、待っていたのは想像以上の大反響。帰りのバスに乗り込むまで、ファンからの掛け声は続いた。「来たかいがあったか」と問われると、「そうですね」。カズは柔らかくうなずいた。

 18日には、岩手県でより深刻な被害のあった地域を訪れる。「明日、そこでまた感じるものもあると思う」。少しでも多くの人を勇気付けたい。カズの思いは変わらない。

(2011年4月17日)

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