2011年4月17日日曜日

外国人にまかせよ

土壌や海、大規模調査へ 全国の研究者が放射線量を測定

福島第1原発の事故を受け、全国の大学や研究機関の研究者らが、地元の住民や土壌、海への影響を大規模に調査する取り組みを始めることが14日、分かった。参加するのは教授クラスの100人以上で、ほかの教員や大学院生も含めると数倍の人数が見込まれる。希望する地元住民の放射線量計測を支援する事業も立ち上げる。
 住民の放射線量測定は、放射性物質への不安に対応するためで、東京大と大阪大が中心となる。対象となる可能性があるのは、福島第1原発周辺の約20万人。そのうち放射性ヨウ素の被ばくで甲状腺がんになりやすい14歳以下は約3万人。
 大学や研究機関の教員、研究者、大学院生から放射線の計測ができるボランティアを募る。
 また、原発周辺の土壌について共通のデータベース作りを目指す。大阪大のチームは福島県が既に進めている調査と連携し、5月から第1原発を中心に沿岸部の南北100キロ、内陸部60キロにわたって1500カ所の土壌採取を行う。首都大東京などのチームは、福島県や茨城県で大気や降水、土壌のデータを集める。
 海については(1)福島県沖の放射性物質の分布(2)食物連鎖に伴って生物に濃縮される放射性物質の量(3)生物に及ぼす影響―などの調査を予定。
 海洋汚染調査に関与する気象研究所の元職員、広瀬勝己さんは「個別の研究機関でなく日本全体で対応し、きちんとしたデータを出さないと世界に申し訳ない」と話す。 (4月14日 北海道新聞)

全国の研究者を結集させて、大規模な調査チームをつくる。まったく理系の人たちは壮大な無駄をやる。
 福島第一の悪夢を生み出したのは誰か。産官学連携に組み伏された日本の学者じゃないか。この人たちがいくら善意で働いたところで、信用されるわけがないじゃないか。
私は信用しない。
「緑の党」や「グリーンピース」が調査した結果は信じる。
こういうことは外国人にまかせよ。

2011年4月15日金曜日

観光産業と原子力

3月の外国人観光客は半減した。
韓国・中国・台湾からの観光客がいずれも50%に落ち込んだ。
問題は受け入れ側の事情だけではなく、おそらく原子力災害の動向を見てキャンセルが発生した結果である。これは大変なことだ。東京はもちろん、地方の温泉宿なんかは大ダメージだろう。
 原子力で脳が被曝した右翼は、「外国人が来なくたって平気」というかもしれないが、地方経済にとって外国人観光客は大切な収入源だ。伊豆とか、北海道とか、外国人でもってたんだからね。
 「まだ大丈夫」とか「基準値をあげました」とかよくわからない意地を張ってなんとかなるのは日本村の世間だけであって、外国人にそういう屁理屈は通用しない。少なくとも基準値をWHO基準に揃えて、放射線量の調査を全国で実施しないと、もう誰も遊びに来てくれない。地方経済はじわじわと追いつめられていくだろう。

  

2011年4月12日火曜日

名古屋で緊急企画

■大変だワン! LOVE&ビンボー春祭り 緊急プレ企画

『原子力災害とその後』
白石嘉治×矢部史郎×飯尾裕光

■日時:2011年4月19日(月)
入場無料・1オーダーよろしく・投げ銭カンパ熱烈歓迎(ビンボー企画です)

■場所:オーガニックキッチン陽菜(ひな)
地下鉄名城線「矢場町」4番出口より歩いて2分(052-243-7242) 名古屋市中区大須4-1-12

 3月11日の東北・関東大震災は、かつてない大規模災害であると同時に、かつてない深刻な原子力災害をひきおこしました。
現在、福島第一原子力発電所では複数の原子炉施設が爆発し、放射性物質を噴き出しています。福島第一原発の周辺では、もう二度と人の住むことのできないだろう汚染地帯が拡がってい
ます。そして事態が収束するまでには、5年とも10年ともいう長い時間と、膨大な被曝労働者が必要であるとされています。
今回の緊急ディスカッションでは、自然と社会に大きな被害をもたらした原子力災害と原子力政策について考えます。
パネリストには、現代思想のシーンで先鋭的な論考を発表している白石嘉治氏と、著書『原子力都市』がある活動家、矢部史郎氏を招き、
地元名古屋からは、オーガニックレストラン経営の傍ら農業や自然エネルギーについての実践を研究中の飯尾裕光氏が、
現代思想シーン活躍する両名を迎え「フクシマ」後の状況を議論します。

■パネリスト
白石嘉治(しらいし・よしはる)
1961年生まれ。著書『不純なる教養』(青土社、2010)、編著『ネオリベ現代生活批判序説』(新評論、2005)。訳書に、マルク・クレポン『文明の衝突という欺瞞』(新評論、2004)。

矢部史郎(やぶ・しろう)
1971年生まれ。著書『原子力都市』(以文社、2010)、共著に『愛と暴力の現代思想』(青土社、2006)現在、東京から愛知県に避難中。

飯尾裕光(いいお・ひろみつ)
1975年生まれ。名古屋市北区にあるオーガニックレストラン「みどりの屋根INUNNIQ」のオーナー。幼少の頃より親に連れられ反原発運動に参加する。現在は店を経営しながら大学院で自
然循環学を勉強中。特技は味噌仕込み、鶏解体、ギターなど。

■主催
アースデイあいち2011・LOVE&ビンボー作戦本部・070-5640-0219
http://blog.earthday-aichi.net/
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1871325

2011年4月11日月曜日

放射線は偽装できませんから

 福島県では原乳のブレンドが試みられているそうだ。
放射線濃度の高い原乳と、低い原乳をブレンドして、基準値をクリアさせるという方法だ。
 もう、悲しくなる。
 やっている人たちが一番わかっていると思うのだが、こんな方法はその場しのぎにもならない。ブレンドをして基準値をクリアしても、この牛乳は誰も買わない。食品偽装にもあたらない。偽装未満だ。
 たとえば、普通のコシヒカリに魚沼産コシヒカリというラベルを貼って高く売るのは、立派な産地偽装である。この種の偽装は、ちゃんと舌の肥えた人にしか見破れない、素人は簡単にだまされてしまう偽装だ。
 放射線牛乳は、違う。これは素人にもバレバレである。食品メーカーや消費者団体や管理栄養士さんはもちろん、ずぶの素人の私でも、測定機さえあればわかってしまう。もしかしたら家庭用浄水器みたいなお手頃値段で放射線測定機が普及してしまうことになるかもしれない。そうなるだけの充分な動機と実績を日本の消費者はもっている。
 もう悲しいことはやめさせてほしい。政府は被害を受けた事業者に充分な補償をしろ。

2011年4月10日日曜日

中年議員がイチゴ食べたからってなんなの

『現代思想』誌の原稿を書かなきゃいけないので、とりいそぎ乱暴に書くが、中年議員がイチゴ食べたからって安全性のアピールにはならない。この人たちはチェルノブイリの被害がどういうものか知らないのだろうか。
 誰でも知っていることなのだが、知らないか知らないふりをしているボケのために書く。放射線の被害には感受性があって、年齢が若いほど被害を受けるんです。若いお母さんたちがうろたえているのは、幼い子供ほど放射線の被害を受けるからなんです。将来出産したいと考えている若い女性たちが動揺しているのも同じ理由です。

蓮舫! 見た目は若くつくってるけど、若くないでしょ! あんたが食べても意味ないでしょ! 
消費者担当相がこんなボケをかましてるようでは、よけい不安になる。まじめにやれと言いたい。

2011年4月8日金曜日

うそつきNHK

 雑誌『現代思想』の元編集長と電話で話した。よく笑う人だが、いつにもまして爆笑していた。「もう、むちゃくちゃなんだよ、ぐはははは」と。本当にそうだ。
 最近のNHKの報道で笑ってしまったのは、格納容器への窒素注入についての解説。いわく、「格納容器は鋼鉄製で、放射性物質を閉じ込める最後の砦と言われる」。
 ちょっとちょっと。「最後の砦」というのは、格納容器じゃなくて建屋でしょう。「最後の砦」=建屋は、ずいぶん以前にぶっこわれてるでしょ。「最後の砦」が吹き飛んだから、アメリカ人も中国人も退避して近寄らないの。しれっと嘘をつくんじゃないよ水野。
 まったく。公共放送が皆様の受信料を使って嘘を垂れ流している。水野はだまってろ。

2011年4月6日水曜日

低線量被曝地帯

年間の被曝限度量、引き上げを検討  原子力安全委

 原子力安全委員会は5日、放射線量の高い地域の住民の年間被曝(ひばく)限度量について、現在の1ミリシーベルトから20ミリシーベルトに引き上げるべきか検討を始めた。放射線の放出が長引き、「長く生活する観点で考えないといけない」とし、現実路線への見直しを検討する。
 会見した代谷誠治委員は「防災対策での退避は通常、短期間を想定している」と指摘。すでに数週間に及ぶ退避や避難の考え方について、政府から見直しを検討するよう相談されていることを明らかにした。 原発から半径30キロ圏外の福島県浪江町の観測地点で放射線量の積算値が上昇している。先月23日から今月3日までの積算値は10.3ミリシーベルトになった。日本では人が年間に受ける被曝限度量は現在、一律1ミリシーベルト。国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告では、緊急事故後の復旧時は1~20ミリシーベルトを目標としている。

2011年4月5日 asahi.com(朝日新聞社)

「長く生活する観点で考え」て、「現実路線」をとると、原子力安全委員会の専門家たちは被曝限度量の引き上げを検討するわけだ。これは、コロンブスの卵だな。
 私なんかは常識的な発想にとらわれた素人だから、「長く生活する観点で考え」ると、被曝限度量の引き下げ&避難範囲拡大&作付け禁止範囲拡大、というふうになるものだと考えていた。なぜなら、原爆症認定問題をちらっと見るだけでも、問題の大部分は低線量の被曝者たちだからだ。被曝問題というのは、「ただちに」健康に被害を受けた人たちだけではなく、長い時間をかけてじわじわと放射線量を蓄積した人たちの被害の問題である。だってほら放射線って見えないから。大丈夫大丈夫でやっていると、自分でも気づかないうちに低線量の放射線に曝されて蓄積してしまうのだ。もちろん国はそういう被害を認定しない。それは生活習慣の不摂生じゃないですか、自己責任ですねってことになるだろう。
 原子力安全委員会が最大20倍の被曝量をOKにしようと書類を書き換えているのは、今後膨大な被曝者問題が起きることを想定しているからだろう。首都圏も例外ではない。人口規模で考えれば、むしろ首都圏の被曝者問題こそが、今後大きな問題になるだろう。
 東京はすでに低線量被曝地帯である。数年か十数年後に、数万人規模の「原爆ぶらぶら病」が再現される。

追記 
 原稿がなかなか進まないのでDVDを観た。
『仁義なき戦い 広島死闘編』。村岡組山中正治(北大路欣也)と、大友組大友勝利(千葉真一)を描いた回だ。
 若いやくざたちは、年寄りにだまされるか年寄りを踏みにじるかして、暴力にあけくれ死んでいく。彼らは広島のほこり立つマーケットで、自覚できない内部被曝にじわじわと体を蝕まれながら、抗争を繰り広げたのだ。映画では明示されることはないが、これは低線量被曝地帯の映画だ。