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特集地軸2011年04月11日(月)

ルネサンス

 「人間はみな謎を愛する」―。映画にもなった「ダ・ヴィンチ・コード」の作者で米作家ダン・ブラウンさんが以前、別の作品で著名な秘密結社を取り上げた理由を語っていた▲
 「ダ・ヴィンチ・コード」でキリストの謎を解き明かす鍵の一つとなった名画「モナリザ」。そのルネサンス期代表作のモデルとされる女性の遺骨の発掘調査が今月末、イタリア中部フィレンツェで始まる▲
 モナリザのモデルについては諸説紛々。ミラノ公妃やマントバ侯爵夫人説、美貌でも知られるメディチ家出身の政治家ジュリアーノの愛人説も。作者レオナルド・ダビンチの自画像説にまでなると、やや奇怪か▲
 通説は発掘調査の対象となるリザ・デル・ジョコンダ。実在した大富豪の妻という以外、詳細な人物像は不明のまま。調査はモデル説を裏付けるのでは、というルネサンス期の歴史のロマンをかき立てる▲
 同じルネサンスでも「原子力ルネサンス」。実は世界で原発建設が進むのは一部の国で、停滞する大勢は変わらない、と先日の本紙国際面の記事。原子力復興は推進派の宣伝にすぎない、と福島第1原発事故を機に現実が暴かれたかのよう▲
 ジョコンダ夫人の調査では遺骨を特定できれば生前の顔を再現するとか。モナリザの「素顔」に期待が高まる一方、「謎のほほ笑み」の現実は暴かないでおいてほしい気もするのだが。

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