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[27190] 【習作】ウィザードリーな世の中で(リアルにレベルとHPと倒した後のゴールドと経験値がある世界を作ってみた)【一発ネタ】
Name: Gのひと◆63deb57b ID:d108ff8c
Date: 2011/04/14 20:03
 ストレイト・ジャケットやGS美神の魔装術やらをベースに、ウィザードリーやドラクエ的なシステムが『具体的』に存在している世界を考えてみました。

 次スレの話は、世界観だけの書き逃げです。

 面白い小説になるかどうかは世界設定とは直接関係ないですからw


 
 ついかっとなって書いた。反省はしないが尻切れ蜻蛉が自分で書いてみてもどかしい。なんたる自爆。



[27190] ウィザードリーな世の中で
Name: Gのひと◆63deb57b ID:d108ff8c
Date: 2011/04/14 19:57

 -この世界には3種類の生き物がいる。弱いゴミと、強いだけの屑と、その間のゴミ屑だ-
 
                       とある勇者の言葉より。
 
 
 
 ぼくがこの世界に落ちて来てからしばらくの時が過ぎていた。
 レベルとHP、剣と魔法が『文字通り』に存在する世界。
 今ぼくはこうして、武器も持たず、鎧も着ずにいわゆるモンスターと対峙している。
 だがぼくは恐怖など微塵も感じていない。
 元の世界のライオンを思わせる、鋭い爪と牙を持った野獣、いや魔獣が襲いかかってくるが、ぼくは慌てずに体の軸をずらし、振り下ろされた爪を躱す。
 完全には避けきれなかったが、直撃を避けられたせいか、HPを5ほど削られるだけですんだ。
 HPを5って何で判るんだって言うツッコミはもっともだ。だがここでは本当に判るのだ。
 抽象的な感覚とかゲームのステータス的にとかじゃない。具体的に、だ。
 それはぼくの体を覆い、守っている積層型マナバリア。十二単ならぬ百十二単。ちなみに現在のぼくのMAXHPは112だ。
 そしてぼくは躱したところにカウンターで手刀を魔獣の腹部にぶち込む。手に感じるのは獣の生暖かさではなく、マナバリアとマナバリアがぶつかり合う硬質の乾いた感覚だけ。
 プチプチと薄い膜を突き破るような感覚を27回感じた。とりあえず相手のHPを27削れたと言うことだ。
 僕らのような『結晶持ち』やこの魔獣のような『モンスター』の肉体は、魔力の皮とでもいうべきこの多重積層魔力結界、通称マナバリアによってくるまれ、守られている。
 もっとも弱いレベルでも同じマナの補助がなければ、たとえマグナム弾で撃たれようともこの守りは打ち抜けない。同じマナ同士でも、層一枚あたりの強度、密度が弱ければ相手の守り一枚剥がすことは出来ない。
 そしてそんな強固な守りが、何重にも重なり合っているのだ。
 そしてマナの前では肉体など紙一枚より脆い。全ての層を破壊されたら、もはや当てても無意味、喰らえば即死の文字通りの『戦闘不能』だ。
 マナバリアは本人の生存本能と深く結びついているせいか、最後の一枚は最強の強度を持っていて、打ち砕かれることと引き替えにほぼあらゆる攻撃を止めてしまうから、そのまま中の肉体まで打ち貫く攻撃はきわめて特殊な技になる。
 しかも今では最後の一枚が崩壊すると緊急用の結界を張って『真の死』を回避するなんていう技術まである。
 絶対に近い防御力を誇る反面、移動も解除も出来なくなるためものすごく使いづらかった究極防御呪文をうまく改良したやつが過去いたのだ。
 
 ……戦っている最中にそんなことを考えていても、この世界に慣れきったぼくの体は勝手に反応する。ぼくの左手に埋め込まれているように見える『結晶』と、そのまわりに入れ墨のようにも集積回路のようにも見える『紋章』は、ぼくの肉体の制御をアシストする。再び襲いかかってきた魔獣に対して、相手の体の大きさ、重さを十全に利用したカウンターをたたき込む。
 その一撃が、薄膜のような積層バリヤを貫いていき、遂に一段硬質な『最終防御』を叩き割るのを感じる。
 僕らのような『結晶持ち』の人間なら、これが破壊されると僕らの強さを支えている魔力アシストが一時的に落ち、ただの人になるか、保護バリアに包まれて無力化するか、あるいは緊急転送によって回収されるかになるが、『モンスター』は違う。
 肉体を持っている僕たちと違い、マナに本来の肉体まで食い尽くされ、生きて動くマナの塊になってしまった存在、それがモンスターだ。
 芯までマナに喰われているせいでその能力は同レベルの生物とは比較にならない恐ろしさを誇る。事実上半分不老不死で、マナの供給が途絶えないかぎり老いることも自然に死ぬこともない。肉体の限界を持たないためマナアシストが全力で稼働するので、同格の生き物とは比べものにならない戦闘力を持つ。
 更により多くのマナを取り込めば、いかようにもその体を進化させ、際限なく強くなることすら可能であり、過去に於いては人はモンスター化によって世界の究極存在--神になることすら可能だと考えられていたこともある。
 もっともたかが人間ごときの精神力では自らを保つことが出来ずに自我が崩壊して本来の意味でのモンスターに成り下がる事が殆どなため、今ではそれは禁忌に近い感覚になっている。
 ま、モンスター的存在になっても見た目は僕たち『結晶持ち』とあんまり変わらない人間もいたりするけどね。そのへんはいろいろあってこんなところで考えることじゃない。
 そしてぼくの手で最終バリアを破られたライオン型モンスターは、その肉体を構成していたマナを維持できなくなり、中心核と、希薄化したマナに分離して消えていった。
 モンスターはいわばHPとも言える多重殻と、中枢たる中心核と動くための媒質マナで出来た水風船ならぬマナ風船みたいなものだ。なので殻が破られるとこうして分解して消えてしまう。
 中心核は良質のマナ結晶として通貨に近い価値を持ち、拡散していく媒質マナはぼくの結晶に吸収されてぼくを強くする源となる。
 ……まんまファンタジーなRPGのゴールドと経験値である。
 ちなみにぼくの力の源である結晶はこうしてマナを溜め込み、一定量のマナ密度になると木の年輪やぼくの積層バリアのように、新たな外殻結晶を形成する。
 そう、この『年輪』の数が、いわゆるレベルになるのだ。
 真珠のように層を重ねて大きくなっていく結晶は、より多くの流動マナを溜め込み、より丈夫な積層マナをより多重に形成できるようになり、更により複雑な『紋章』……アシストシステムを起動できるようになる。
 この『紋章』が、いわゆるスキルであり、クラスである。
 ちなみにこの結晶、垂れ流される高濃度マナ……モンスターが呼吸するように吸排出しているそれを感じると共鳴する。
 リアル邪気眼である。この時ばかりはぼくも少しだけ落ち込んだ。
 
 
 
 ここは『マナ・アース』。
 
 ぼくみたいな『結晶』を持つものがリアルファンタジーしている世界。
 
 そんな世界でぼくは、今レベル18の『忍者』をやっています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 設定語りだけ書き逃げ。面白い物語を書けるかは設定とは関係ない。



[27190] マナとクラスと忍者と
Name: Gのひと◆63deb57b ID:d108ff8c
Date: 2011/04/15 01:14
 「よう、そっちは終わったか?」
 「うん、ウォーライオン一匹だったし」
 
 ぼくに声を掛けてきたのは、大きな剣を担ぎ、頑丈な鎧を着込んだ巨漢。どう見ても『戦士』です。
 ただ、その鎧姿は、よく飾ってある甲冑と言うより、SFのパワードスーツの方がイメージ的には近いかもしれない。いや、実はもっとふさわしい物がある。
 何より特徴的なのは、その腰の部分だ。
 ベルトである。もちろん、強調するからにはただのベルトではない。
 元の世界の知識のあるやつが見たら、こう言うことは間違いない。
 
 「なんだ、あのライダーベルトしたコンバットスーツは! 宇宙刑事ライダーかよ!」
 
 そう。彼の宇宙刑事風鎧の腰には、メダルのような物がはめ込まれた大きなバックル付きのベルトが巻かれているのである。
 ○3つのライダーっぽいそれは、もちろん伊達じゃない。よく見れば彼の担ぐ大剣にも、似たようなメダル装着部がある。
 ますます○3つじゃんとは言わないように。
 ぼくだってこれを初めて見た時は同じ事を思ったし。
 ちなみにぼくは一言で言い表せる姿をしている。
 黒ジャージ。以上。
 伸縮性の高い布で出てきた服。この世界にはあちらの合成繊維はないのでちょっと質感は違うが、見た目と言いシルエットと言い、どう見てもジャージである。長袖長ズボン、チャックじゃなくて紐な所くらいしか違わない。ズボンはベルトじゃなくてゴムだし。
 あ、言い忘れていましたが、この世界は中世じゃありません。
 1960年代に内装とかインフラの中身方面を21世紀くらいまで進化させたような感じです。
 ただし、現代物と違うのは飛び道具がありません。火砲とかそういう方面の発達が極度に遅れています。
 というのも、僕たちみたいな結晶持ちやモンスターの存在ゆえ。
 基本的にマナバリアはマナバリアでしか破れません。マナを帯びていないもので僕たちに被害を与えようとしたら、それこそ戦艦大和の主砲を至近距離でぶつけるくらいのことでもしないといけません。純物理力による衝撃では、マナバリアを貫くどころか衝撃を与えることすら出来ません。実際一度ぼくも見たことがあります。
 今隣にいる彼が、一度落石に巻き込まれたことがあります。ライダーの特訓ではないですが、直径3mくらいの岩が、遙か上から複数落ちてくるんですよ。
 それもものすごく加速されて。
 なのにその岩が彼に命中したとたん、その莫大な運動力を奪われて、ぴたりと静止してしまいました。
 瞬間停止能力。完全弾性衝突のように、運動エネルギーを吸収・無効化してしまう性質が僕たちを守るマナバリアにはあります。ですのただの物理学的な運動エネルギーでは、マナバリアを持つ僕たちやモンスターにはかすり傷一つ付けられないのです。
 マナバリアを持つものを打ち破る方法はただ一つ。より密度の高いマナバリアと接触させることだけです。
 僕たちの持つ装備は、基本的にそのための補助具なのです。
 マナをバリアとして収束させられるのは生きている生命体か、マナ生命体と化したモンスターのみ。モンスターの中心核などは、基本ブースターにはなり得ますが、バッテリーにはなりません。
 つまり、使い手たる生命体と接触していないとマナバリアを破る武器は使用できないのです。
 『戦士』の彼は、剣に組み込まれた紋章とはめ込み式の『マナメダル』の力を借りて、より高密度、かつ特徴的な属性を持った『マナの刃』を生み出します。マナバリアは炎の中でも暑さを感じたりしませんが、炎にマナが通っているとしっかり熱く感じますし、バリアも損傷します。
 冷気や電撃なども一緒。マナを軸としてそういう力を乗せると当然HPが削れます。
 個人の持つマナバリアは、自分より密度の薄いマナでは傷つきませんので、それを利用して装備でマナの密度を上げ、防御力をより高める工夫も当然あります。
 但し、自然の状態よりもマナの密度を上げようとする行為は、自由な運動を阻害します。
 元世界で判りやすくたとえるなら、空気中の行動と水中の行動を比較すると判りやすいと思います。自分のマナバリアの密度を自然より高めるという行為は、自分のまわりが空気から水に変わるようなものですから。
 その状態でいつも通りに行動しようとした場合、『紋章』によるアシスト能力を使う必要があります。
 紋章のアシストプログラム容量には限りと相性があり、彼はそのシステムセットを防御力や攻撃力を増すためのマナ密度上昇システムとその運用に割いたものに最適化しています。
 それこそが『戦士』クラス。彼の装備になるわけです。
 ちなみにこの世界には、今までの説明で判ったかもしれませんが、マナを帯びた熱や電撃による攻撃運用、つまり魔法に当たるものも存在しています。
 ただ、この世界の魔法は、呪文とかよりむしろ一種の固定兵装に近い存在です。戦士が剣技のアシストや鎧着用負荷の軽減に使う容量を、魔法兵装のツリーに割り振ったのが魔法使い。基本魔法の呪文はそれ単独で一種の武器のようなもので、魔法使いはその制御に固有マナを取られるせいで積層バリアが薄くなりがちですし、その密度もあまり上げられません。
 HPも防御力も薄い、まさにゲーム的な魔法使いになってしまっています。
 ちなみに魔法の呪文一つ一つがゲーム的に言えば装備のようなものになるので、まともに1つずつ組み込んでいたらすぐに容量オーバーしてしまいます。ただ、この呪文兵装はテンプレート化と共有によって大幅に容量を減らすことが可能です。それがいわゆる属性系統なんかを生み出しているのがよく出来ていると言うかなんというか。
 
 ちなみに今僕たちが使っている『紋章』、実はこれ、モンスターの中心核に組み込まれている『マナ回路』を解析して得られたものだったりします。
 僕たちはいわばモンスターの力を奪い、利用している存在なんですね。
 全身マナの塊であるモンスターは、結晶を埋め込み、紋章で肉体を守っている僕たちより遙かに高密度・高精度の紋章を持っています。
 だけども、そうして全身をマナ化してしまったモンスターは、全身のリソースをほぼ好きに出来る代償として、どうしても『進化しすぎ』てしまいます。
 不老不死化するモンスターは、通常の意味での食事や生殖が不要になります。生命体として持っている本能に対する前提条件が書き換わってしまうモンスター化は、本来生命体として持っていた精神活動を大幅に歪めてしまうのです。
 それは人間も例外ではありません。僕たち『結晶持ち』というのは、レベル1……いわばOSにあたる基礎紋章と電源及び記憶装置に当たる起源結晶を体内に受け入れるだけのマナ容量を肉体が持ち得た存在です。そして結晶を緩衝材として肉体がマナに喰われることを押さえ、人として理性を保っている存在、それが僕たちです。
 僕たちのような異世界から『落ちた』人間は、マナの薄い世界から来ているが故に、こちらの人達よりもマナに対する器が大きく、優秀な『結晶持ち』となる素質を持っています。
 こちらの人達は普段からマナの中で生活しているので、全身がある程度マナを帯びてしまっていて、結果として容量が小さいのだそうです。
 でも、それがいいことばかりではありません。こういうことが判るまでには、悲劇もたくさんあったと聞きました。
 結晶利用技術の初期段階に、こんなことがあったそうです。
 それは初心者の促成成長……いわゆるパワーレベリングを行った時に起きました。
 初心者を大量のマナがあふれる大物狩りに連れて行った結果、一度に大量のマナを吸収した彼は、結晶があまりにも急速に成長し、肉体がそれに耐えきれずにマナに呑まれてしまいました。
 そう……モンスターです。彼は人からモンスターになってしまったのです。
 しかも悲惨なことに、彼には結晶のおかげでぎりぎり人としての理性が残りました。ですがあふれる力が彼の良識をすり減らし……結果彼は膨大な力を自儘に使う存在に堕ちてしまいました。
 『魔王』の誕生です。
 ちなみにそれまで謎だった、『何故この世界にモンスターが存在するのか』という命題もこれがきっかけで解き明かされました。自然におけるマナの過剰摂取が原因だったのです。
 幸いなことに彼は討伐され世界に平和が戻りましたが、この事は教訓と闇、二つの側面を世界に知らしめました。
 一つはモンスター化の恐怖。
 もう一つはモンスター化の誘惑です。
 マナの過剰摂取は、人に限らず、あらゆる存在をモンスターへと変える危険があります。
 生き物だけとは限りません。過去、マナを込めすぎた武具が魔性のモンスターと化した事件もありました。
 そのせいか、実はこの世界にはあまり大きな戦争がありません。戦争で大量の人が局地的に死亡すると、その無念と放出された生体マナの密度が上がりすぎて、モンスターの大量発生を招くことがあるためです。今の研究では、原初のモンスターも自然災害で大量の生き物が死滅し、濃くなりすぎたマナを生き残った生き物が生存のために過剰摂取したのが始まりと言われています。
 ですが人間というのは度し難いもので、理性を保ったままのモンスター化に挑戦する馬鹿が後を絶ちません。そしてそれをやった馬鹿が様々な魔王となり、この世界を混乱させているのです。
 ちなみにごくまれにモンスター化しても人としての理性と人格を保った成功例も存在しているそうです。人としての老いと寿命を克服し、マナで生きる存在となった人間。この世界では、僕たち異世界の人間が広めた呼び方で、二通りに呼ばれています。
 俗世との縁を薄くし、静かに生きている『仙人』。
 人としての欲望を色濃く残す迷惑な存在『魔人』。
 ぼくがここにいる理由にも、魔人が関わっていました。
 
 
 
 「そっちも終わったか」
 合流した僕達二人の所にやってきたのは、3人目の仲間。
 一言で言えば『巫女侍』。
 緋袴に日本刀を持った巨乳のお姉さんです。
 この世界の魔法剣士。防御システム用の紋章ツリーに使う容量を攻撃魔法や攻撃特技に割り当てた超攻撃型戦士系クラス、『侍』。
 彼女が侍になったのは、一説によるとその目を引く巨乳のせいだとか。
 戦士の彼が宇宙刑事っぽいのをみて判るかもしれないけど、防御力を上昇させる装備は全身を覆うタイプが多いんです。この世界の高性能鎧は、個人の体格に合わせた雛型の鎧に、モンスターから取れる中心核から加工できる強化紋章を組み込んで作られているので。
 こんな大仰なのは、強化紋章を鎧に組み込むのにもある程度の大きさと容量がいるせいでもあります。
 モンスターから装備(の重要部品)が取れる所と言い、それを鑑定(再加工)しないと使えないところと言い、それなんてウィザードリーって、ぼくも最初に知った時には思いました。
 で、彼女はその某胸革命さんを想像させる爆乳とも言える胸のせいで、雛型の鎧のコストがとんでもないことになってしまうため、あえて防御を捨てた侍を目指したのだとか。
 侍の防具は雛型も布ベースですので特注しても安価ですし。その分強化加工費用が高いんですが。
 なお、最低限の防御力を維持するためには肉体の方にそれなりの負荷を掛けるので基本となる素質が高くないと侍にはなれません。
 ますますウィザードリーです。
 
 え、ぼくですか?
 ぼくは『忍者』。
 実はこれまたウィザードリーっぽいんです。
 忍者は装備による強化システムを全て捨て、攻撃や回復の魔法も装備せず、その容量の全てを個人の強化に振り分けたクラスです。
 『極められれば最強なれど、資質無ければただの馬鹿』と呼ばれるクラス。
 本家ゲームの忍者と違うのは、『装備をしないと強くなる』ではなく、『そもそも装備が出来ない』という点ですか。
 戦士さんの所で説明した通り、この世界の装備はマナ収束具であって、純粋な武器としての意味は副次的なものです。紋章によって生きた結晶と接続していなければただのがらくたに過ぎません。
 『忍者』は、紋章接続によって肉体に刻める限界を超えた、モンスター由来の高密度紋章に頼らずに、純粋な『人』の枠内でその限界を極めるという目的の下生み出されたクラスだそうです。
 一見いい話ですが、その裏は人のモンスター化の限界を見極めるためのクラスだそうで。
 ぼくもそれを知った時はいろいろなものが台無しになった気分でした。
 その特徴は文字通り大器晩成。この世界にレベル限界はほぼ無いので、装備の強さを越えられない戦士系と違い、仙人や魔人すら越える、無限の強さを極められるクラスと言われています。
 実のところ仙人や魔人は、絶大な強さを持つものの、唯一の弱点が『殆ど成長できない』なのです。奇跡的なバランスの元に生まれる彼らは、うかつに成長すると安定を崩して魔王化する危険性が極めて高いからです。
 その点忍者は寿命の許す限り安全に成長できます。過剰摂取さえしなければ魔人を越えることも理論上は不可能ではありません。
 あくまで理論上ですけど。
 ちなみにぼくが忍者なのには選択の余地がありませんでした。
 それこそ『やめろ、ショッカー』って叫ぶ現実でしたから。
 落ちてきたぼくには、人として並外れた器があったそうです。というか、そういう器を持った存在として、ぼくの意思を無視して召喚されたそうで。
 召喚したのは何度か出てきている魔人の一人。魔人として極まってしまったため、限界を超えるために最強の資質を持ったものを忍者にし、その器を乗っ取る形で限界を超えようとしたそうです。
 幸いぼくはこうしてぼくのまま忍者していられますけど。ちなみに助かったのは戦士さんや侍さんたちパーティがその魔人を倒してくれたから。
 お二人を初めとする仲間達には足を向けて眠れません。
 
 「所で今日はちゃんと着ているな」
 「はい。脱がずに勝てました」
 
 ぼくは忍者である自分に不満はないんですけど、一つだけ困ったことが。
 忍者は他のクラスと違って、自分の身を守るマナバリアを武器に転化することが出来ます。
 マナバリアは基本相手より密度が高くないと破壊できないので、武器によってマナを収束するか、魔法によってバリアの特性を変え、間接的に相手のバリア密度を下げないといけません。いわゆる属性付与ですね。
 忍者は某念能力風にマナの密度や波長を制御し、魔法とはまた違った形で相手のマナ密度を実質的に下げる事が出来ます。マナ密度のムラを突いて、薄いところをピンポイントで狙う技術です。
 なのであれもあったりします。そう、クリティカルヒット。完璧に決まると相手の積層バリアを全てすり抜けての攻撃が可能になります。最終防衛線だけはこれでも越えられませんが、一撃で相手の最終バリアを破壊することが可能なんです。
 ただ……そこまで高度なマナ制御を実行するには、全身全ての感覚を動員しなければなりません。
 そうすると邪魔になるんですよ……服を着ている事による皮膚感覚の阻害が。
 結論。忍者は全裸が最強。父さんのコレクションに有ったエロゲじゃ有るまいし。
 しかも困ったことに、不慣れでレベルも低い忍者がこれをやろうとすると、制御を外れたマナが全身から噴出して、北斗のケンシロウさん状態に。
 しかも下までデスヨ……
 何回服をダメにしたか判りません。その意味でもパーティーのみんなには頭が上がらないぼくだったりします。
 
 「よし、どうやらおまえも一緒に冒険できそうだな」
 
 長かったなあ、と、ぼく自身も思いました。



[27190] ダンジョン事始め
Name: Gのひと◆63deb57b ID:d108ff8c
Date: 2011/04/16 17:39
 依頼を終えて、街へと帰る間。
 ぼくは前々から疑問に思っていることを聞いてみました。
 
 「地方の村にはたまにああいったモンスターが出るのに、なんで街のまわりとか街道とかにはモンスターが出ないんですか? ここってものすごくゲームっぽい世界ですけど、あくまでも現実なんですよね」
 「ああ、現実の癖してものすごくゲーム的だが、それにはちゃんと理由がある。頭痛くなるようなトンデモ話も多いが、それ以上にあっちと変わらない真っ黒な話も多いぞ」
 戦士さんはこちらでも古手の冒険者だ。レベル33だと聞いています。
 ちなみに馬車の中で寝ている侍さんは27。
 ちなみにこの世界、現代風だけど車はないんです。というのも、マナ結晶からエネルギーを取り出して現代的な生活を送ることは出来るんだけど、そのための機構が小型化できないからだそうで。
 携帯電話的なものくらいまでならどうにでもなるらしいんだけど、車のエンジン代わりの出力となると、質量比、だったかな? 要するに取り出せるエネルギーに対してそのためのシステムが重くなりすぎて、持ち運びできなくなるらしいんです。
 逆に言うと小さくて大してエネルギーを使わないものは想像以上に小型化可能らしくて、こっちの技術でノートパソコンをつくろうとすると……僕たちがいつも携帯しているギルドカードになります。
 クレジットカード大なのに、空間投影ディスプレイやらネット接続やらおサイフケータイ機能やら何でも入っています。ゲームまで遊べたりするんですよ。
 ちなみに一番人気がウィザードリーのパクリなのは何故なんでしょう。
 こんな高性能の上、バッテリーは僕たちの持っている『結晶』から取れるため生きてる限り電池切れ無し。
 昔は馬鹿高かったそうですけど、今は減価償却というか、作るための紋章回路が完全に極まってしまったので、レベル1のモンスターから取れる中心核一個で作れるそうです。
 電卓と同じ運命を辿った、と、今はここにいない『賢者』さんが言っていました。
 昔は高かったそうですね、電卓。前の世界では100円ショップでも売っていましたけど。
 
 
 
 さて、街や街道にモンスターが出ない理由ですが。
 
 「街や街道には、マナ結晶を使った現代的機構があるだろ?」
 
 街は当然ですし、街道には街灯が立っていますね。
 
 「あれな、本来はああいう文化的な生活をするためのものじゃないのさ。意外かも知れないが、そっちはあくまでも副産物なんだ。生活様式があっちに似ているのは、俺達みたいな来訪者が持ち込んだせいだしな」
 「元々こっちにはそういう発想がなかったの。紋章を扱える賢者達が、よってたかって元の世界の便利な生活を再現しまくったせいなのよ、あれ」
 
 僕たちの話で起きてしまったのか、侍さんも話に加わってきました。
 
 「じゃあ本来なんのためだったんですか?」
 「ちょっと考えてみればコロンブスの卵なんだが」
 
 戦士さんはそう言って、倒したモンスターの中心核を眺めました。
 ちなみに紋章無しの『外れ核』です。中心核に紋章が残っていると、価値がぐんと上がるんで。
 ゲーム的にに言えばドロップアイテムありとなしの差です。
 
 「モンスターは、マナを吸収して生きてる。強いやつほど、濃い目のマナが生きるのに必須になる」
 「ですよね」
 「なら逆に、まわりのマナが薄いところには、モンスターは寄りつかないんじゃないかって考えたやつがいてな」
 
 あ、その発想はありませんでした。でも、なんか昔聞いた話と矛盾するような。
 
 「あ、でも、確か生きている生物はマナを垂れ流すから、人がたくさん集うとモンスターを引き寄せるんじゃ」
 「ああ、それも間違いじゃない」
 
 モンスターが人を襲うのは、ある意味食欲だそうです。生きているものは、たとえ結晶持ちじゃなくてもマナを取り込むため、必然的にマナ密度が濃くなるそうで。
 あくまでも相対的なものらしいですが。
 ちなみにモンスター同士だと、ある意味『加工済み』とでも言うのか、うまく吸収できないそうです。モンスターが吸収できるのは、モンスター化していないマナだけ。
 特に結晶持ちは濃いマナをふんだんに持っている上にモンスター化していないので狙われまくるのだとか。
 だからモンスターは冒険者を見ると襲ってくるのですね。
 ちなみにモンスターは性欲がないので、エロゲ的展開はこちらの世界ではまずないそうです。魔人か魔王が絡まない限り、色気より食い気だとか。
 
 「人がいる街では余剰マナがどうしても出る。これが出るとモンスターがよってくる。そして襲撃で街が壊れるので一定規模以上の街はなかなか出来なかった。
 けど、それを解決したのが、マナ機械なんだ。
 マナ機械はマナを吸収して電気みたいな万能エネルギーに変える。そのせいで結果的に街周辺はマナが薄くなってモンスターが寄りつかなくなるんだ。
 ま、吸収できるマナにも限界があるから、マナを枯渇させるほどは吸えないし、エネルギー使い放題とも行かないけどな。
 んでも元の世界よりエコなのは確かさ」
 「そう。オルゴンドライブが出来たおかげで、ある程度は安定した社会が営めるようになったのよ。後はダンジョンね」
 「そうそう、オルゴンドライブオルゴンドライブ」
 
 
 
 あの機械オルゴンドライブって言うのですか。元の世界で言えば魔力発電機です。
 戦士さんは具体的な知識に対しては弱いほうですので。その分理を見通す能力は高いんですけど。
 
 
 
 「まあ、ダンジョンについては裏がものすごいんだけど……話したことあったっけ」
 「ぼくはまだ聞いたこと無いです。以前賢者さんがダンジョン探検するようになったら教えてくれるって」
 
 ダンジョンは文字通りゲームのあれです。洞窟みたいな所に、外とは比べものにならないくらい一杯モンスターがいて、しかも強いやつばっかりという所。
 その上いわゆる『ボス』までいるんです。しかも『沸き』ます。
 ついでに言うと何故かダンジョンは街の近くにあります。危ない場所なのに。
 どこまでゲームチックなんでしょうか、この世界は。
 
 「まあ、ならいいかしら。そろそろ教える気みたいですし。ダンジョンがなんで出来たかは知ってる?」
 「確か、『最強の魔王』が作ったんでしたっけ」
 「正解。でも、『何故』魔王がダンジョンを作ったのか。そしてどうやって作ったかまでは知らないでしょ?」
 「はい」
 
 考えてみれば、いくらゲームチックな世界でも、ダンジョンが魔法でぱぱっと作れたとは思えません。しかも聞くところによるとそれこそウィザードリーのゲームマップみたいに区画化されてて部屋とか扉まであるって言うし。
 
 「元々ダンジョンは『マナ溜まり』を作ってモンスターをそこに誘導、幽閉するために作られたのよ。モンスターはマナをほしがるから自然マナの濃い場所に居を構える。ならマナの濃い場所を人為的に作ってやれば、っていう発想」
 「あ、それってうまい手ですよね」
 
 街の発想と逆だ。
 
 「それを指導したのが、当初は最高の賢者と言われ、のちに至高の魔王と言われたルルーシュよ」
 「ぶっ」
 
 なんですかそれは。
 
 「あ、判ったって言うことは見てた世代なのね」
 
 こちらに落ちてくる人がどの時代に出るかはけっこういい加減らしいです。最強の魔王の時代は今から500年以上は昔の筈なんですけど。
 
 「まあ由来はともかく……ルルーシュは最初、街をモンスターの脅威から守るためと称してダンジョンの建設を指導したわ。そしてそれは実際にものすごく有効だった。
 そのためその時代、人の生活圏や生活水準が劇的に向上したわ。だから今でも魔王ルルーシュは『至高』と言われるの。
 それがのち200年にわたる魔王支配のためだったとしても、その功績は無に出来ないから」
 「そういう言い方だと、裏があるみたいですけど、何があったんですか?」
 「ええ。ダンジョンシステムは周辺のモンスターを集めるので、治安維持にはものすごく効果的だわ。定期的に中のモンスターを『間引き』しておけば核も集められるしトレーニングにもなる。
 ダンジョンの中は基本下層ほどマナが濃くなるんで、モンスターの強さが自然と段階的になるのも特徴だったわ。だんだん強くなるから、まさに『訓練場』としての価値も高かったのよ。
 でもね、それは魔王の仕掛けた壮大な構想の一部だった。
 彼はね、周辺のマナを集める基本システム、そこに己の力の端末を繋いでいたの。世界を巡り、至る所に町の人の力を使って築かれたダンジョン。彼はそのダンジョンに集まったマナの一部を、己の力として取り込んだのよ。
 結果、大量のマナを継続的に集められるようになった魔王は、10万の軍勢を片手で葬るほどの力を得てしまったわ。200年後にこの仕掛けに気がついた勇者が、魔王のネットワークを破壊するために、全世界のダンジョンを建設順に回って、密かにシステムをクラックするまでの間ね」
 
 
 
 うわ~、それなんてドラクエ。
 
 
 
 「なんというかドラゴンクエストチックよね。この世界じゃ、元の世界でよく言われていた、『なんで魔王を倒すのに世界中のダンジョンをちまちま巡っているんだ。特殊部隊を養成して魔王を暗殺しろ』って言う理論がそもそも成り立たないのよね。
 そうしたくても魔王単体が馬鹿強い上、全く隙がないんですもの。
 対抗手段はただ一つ、魔王が張り巡らしたネットワークに密かに介入して、魔王と対決するその瞬間に力の源を立つしかなかった。
 幸いこの策は成り、それでも無茶苦茶強かった魔王も、何とか手の届く強さにまで弱体化できた。というか、強さはそのままでも回復が出来なくなったから何とかなったのよね。
 あなたもいやでしょ、ベホマ使う魔王なんて」
 
 それなんて無理ゲーですか。
 
 「魔王ルルーシュはいわばHPとMPが、毎ターン全回復する能力を持っていたみたいなものだったし。ま、何とかなった訳だけど、今でも彼の作ったシステムとダンジョンは生きているわ。ボスが沸くのもそのせいよ。
 あれはね、周辺のマナを収集してダンジョン内の環境を保つと同時に、たまりすぎたマナを元にボスモンスター化させることでマナの密度と量を安定化させるシステムだから。
 魔王が生きていた頃は、タネがバレた際の施設護衛目的でもあったらしいけど。
 でもね、あれのおかげでモンスターの大量発生とかが抑えられているものだから、今更止められないのよね。
 それにそうやって生成できるボスの中心核って、価値高いし」
 
 汚い、さすが人間汚いです。人間に掛かればモンスターも資源です。
 
 「たまに放置しすぎてダンジョンバーストって言う、マナのたまりすぎによるカタストロフが起きたりするけど、それは近くの街の管理責任だし。まあこの辺は安心ね。私たちのギルドが間引きしてるから」
 
 こうして冒険者は安定した糧を稼ぐんですね……
 
 「あとね、ダンジョンの強さがこう一本道ルートで段階的に強くなっているのも、魔王時代の名残よ。
 このシステム、今の時代から見てもものすごく高度でいまだ再現できていないんだけど、一つだけ魔王にもどうにも出来ない欠点があったのよね。
 というのは一度設置すると止められない……正確には止めるとネットワークが破綻するんで、強化・改修が出来なかったこと。ダンジョンの設置によって魔王はだんだん強くなっていき、ダンジョンの強度やマナの収束率、ボスの強さとかはどんどん上がっていったけど、最初の頃作ったダンジョンを強化することは出来なかったの。
 だから今も残る魔王城跡を最強とした、ダンジョンランクが存在しているのよ」
 
 過去魔王を倒した勇者は、弱いダンジョンから順番に巡ることで、魔王にバレないようにこのネットワークに介入が出来たらしいです。
 順番を無視していたら、絶対に途中でバレて、もくろみが潰えていたとか。
 
 「ま、魔王自体はその後も出現しているし、この魔王ルルーシュのネットワークに倣って、バレないようにいろいろ偽装した上でダンジョンに当たるマナ供給システムを構築するのは、魔王としてのたしなみみたいなものになったわ。
 今じゃそっちのシステムも、『魔王システム』として確立しているくらいだし」
 「そ、そんなものまであったんですか?」
 「有るわよ。まあ今じゃ魔王になるリスクも知れ渡っちゃったから、魔王化を目指す馬鹿は大分減ったけどね。でも貧民とかからすると一発逆転の最終手段だから、10年に一度くらい雑魚魔王が沸いたりするわけ。そんなのはすぐ冒険者に討伐されちゃうけどね」
 
 昨今はリターンも大きいけどリスクも大きい魔王化より、魔人化を狙う人(馬鹿)の方が多いとか。
 
 「でも魔人とかってそんなにホイホイ生まれるものなんですか?」
 「そんなわけないでしょ。でもね……ちょっときな臭い噂が流れているの」
 「ああ。ここ100年ばっかり停滞していたマナ科学に、新展開があったという噂があってな」
 「噂、なんですか?」
 
 新発見ならもっと広まりそうなんですけど。
 
 「ああ、悪い面でな」
 「成功率の高い魔人化の方法が確立されたらしいのよ」
 「ぶ」
 
 ぼくはまた吹き出しました。
 なんですかそれは!
 
 「費用とかが馬鹿みたいに掛かる上、魔人化してもあんまり強くなれない……つまり一見メリットが少ないらしいんだけど」
 「老化が抑えられるのが大きくてな。つまり不老不死を求める権力者達が関わっているらしい」
 
 あーそーゆーことですか。永遠の若さを求める女の人とか、多そうですものね。
 
 「でも魔人化は魔人化……人をやめることには変わりない。最初はまだまともらしいが、やっぱり破綻するらしくてな」
 
 戦士さんがどこかし遠くを見るような目出いいました。
 
 「まだあなたには早いけど、いずれはあなたもそういう堕ちた人と対決することになるかもしれないわ」
 
 ぼくを召喚した人も、上を目指した魔人ですしね。
 
 「じゃ、ぼくももっともっと頑張ります!」
 
 そういったぼくの頭を、侍さんが優しくなでてくれました。
 ふと気がつくと、馬車は街の入り口近くに来ていました。
 街を囲う城壁と、ダンジョンの入り口が遠目にも見えてきます。
 ぼくは今この場にいないギルドメンバー……賢者さん、僧侶さん、盗賊さん、魔術師さん達のことを思い出しながら、ダンジョンに挑む日のことを考えていました。
 
 
 
 
 
 *魔王システムはマンション&ドラゴンズ及びダークローダーズなんかで藤浪&佐々木様が確立したあれっぽいものです。元ネタとして参考にさせていただきましたのでここに記しておきます。


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