設計寿命「40年」が60年に延長
【政治・経済】
2011年4月16日 掲載
“お墨付き”はNHKでおなじみの東大・関村教授
ちなみに、この技術評価の責任者は、NHKでおなじみになった御用学者、東大の関村直人教授だ。評価書の内容をよく読むと「高経年化対策上、着目すべき経年劣化現象が抽出されている」とか「耐震安全性を満足しない結果」などと書かれているが、結局は、「60年まで使っても大丈夫」と「お墨付き」を与えたのである。
「そもそも、設計上の耐用年数は40年です。それだって、あくまで設計上の話で、配管などが経年劣化でボロボロになってくるから、実際に40年も持つのか分からない。ところが、70年代に造られた原発の耐用年数が近づいてくると、国と東電は60年まで使えるという見解を打ち出した。原発の経年劣化が明らかなのに、運用基準を延ばすなんて、技術者からすれば信じられない話です」(前出の元設計技師)
やっぱり、どう考えても、人災だ。古いマークⅠ型は、ほかにも女川原発、浜岡原発、島根原発、日本原子力発電の敦賀原発で使われている。浜岡の1号機と2号機は09年に運転を停止しているが、敦賀1号機は70年、島根1号機は74年の運転開始だから、もう設計寿命の40年だ。女川1号機は運転開始84年で比較的新しいが、これまで制御棒が抜ける事故がたびたび起こっている。大きな余震が続いているだけに心配だ。
新たな事故を防止するために、古いマークⅠ型はさっさと廃炉にするのが、関係者のせめてもの罪滅ぼしだろう。