シリア大統領、非常事態法の解除求める　48年ぶり

（CNN）　反政府デモが続くシリアのアサド大統領は16日、同国で1963年に施行された非常事態法を遅くとも来週までに解除すべきだと述べ、同日発足した新内閣に最終決定を委ねた。

非常事態法は当局による超法規的な逮捕や弁護士なしの尋問などを認める内容で、反政府勢力が解除を要求していた。アサド大統領はこの日の閣議で、同法の解除が国内の治安確保につながるとの考えを示した。大統領は同時に、治安を維持しつつ平和的なデモなどを認める新法の制定を主張している。

同国では先月、オタリ前内閣が総辞職し、サフィル前農業相が首相に任命されていた。外相、国防相は再任されたが、内相、財務相などの主要ポストが交代した。

反政府デモは15日も数カ所の都市で展開され、国営シリア・アラブ通信（SANA）は西部ホムスで警官1人が死亡したと伝えた。16日は南部ダラアで数千人規模の集会が開かれたが、目撃者によると治安部隊や警官隊の姿はなく、負傷者も出なかった。

国際人権団体や国連は当局によるデモ弾圧を強く非難してきた。

アサド大統領は演説で、デモ隊と治安部隊の衝突による死者に弔意を表明。新内閣は当局と国民との間の溝を縮め、政府の透明性を高めなければならないと強調した。

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