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小沢氏決起宣言、今の原発対応「許されぬ」

 民主党の小沢一郎元代表(68)が16日、菅直人首相(64)に倒閣宣言を突きつけた。インターネットの番組に生出演し、震災や福島第1原発事故の対応を「今のやり方が続くことは許されない」と批判、手法を変えなければ「政治家として決断する」と明言した。内閣不信任案への同調など、菅降ろしへの“決起宣言”といえる。強気のイチロー節で、くすぶり続けていた「反菅」VS「反小沢」再戦へ、自ら火ぶたを切った。

 震災発生後、初のメディア出演となる小沢氏。冒頭から「対応は遅いし、しかも十分でない」と、震災や原発事故への政府の対応を批判した。「いろんな委員会や審議会をつくり、誰が責任者か分からない。役所に任せっぱなしの時より、ぐちゃぐちゃだ」と、リーダーシップが見えなくなるような会議設置を連発する菅首相の迷走も指摘。「言い出しっぺが責任を取ろうとしていない」と、決断力のなさもやり玉に挙げた。

 その上で「今のような状況を政府、政治が続けることは許されない。今のやり方を転換して菅さんが思い切った決断をするなら協力するが、なければ政治家としてどうすべきか、考えなければならない」と強調した。「今のやり方では、爆発の可能性は減っても放射能汚染はだんだん広がる。取り返しがつかなくなる」とした上で「大変と分かっていながら何もせず、傍観するのは後世の歴史の批判に耐えられない」とも述べた。菅首相が今の手法を変えなければ倒閣に動くという最後通告といえる。

 原発事故については、政府の情報隠しや公開の遅さに疑問を投げ掛け、「大本営で大したことがないと言う人が多いが、僕はもっと深刻だと思う」と指摘。「国際社会では、日本政府が本当のことを言っていない、いいかげんという評価だ。国民の被害は、二重に大きくなっている」と、公然と政権批判を繰り返した。

 政治資金問題で強制起訴され、党員資格停止(不服申し立て中)の処分を受けたが、「そんなことはささいな話」と、足かせにはならないと主張。司会者に「小沢さんの決起と受け止める」と水を向けられても、笑顔で否定もしなかった。

 小沢氏は最近、都内の自宅に親しい議員を集めて、連日意見交換。大きな被害を出した岩手県選出ながら、菅首相が自身の存在を無視していることにも反発があるようだ。震災後は水面下で動いてきたが、菅内閣の後手後手の対応には、中央政界の与野党だけでなく、被害を受けた自治体での批判も強まっている。菅首相を取り巻く環境が、オール野党化しつつあるタイミングでの倒閣宣言。打倒菅内閣への「第1歩」(小沢派議員)になるのか。【中山知子】

 [2011年4月17日8時43分 紙面から]

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