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【社会】

無人ヘリでクレーン設置 米政府提案、燃料搬送へ

2011年4月17日 02時08分

 小型無人ヘリが撮影した福島第1原発4号機の原子炉建屋=10日(東京電力提供)

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 東京電力福島第1原発事故で、無人のつり下げ物資輸送ヘリを使って4号機などの使用済み核燃料プールから燃料を取り出すための大型クレーン設置や、汚水を一時的に蓄える仮設タンク建設案を、米政府が政府と東京電力による「統合連絡本部」に打診していることが16日、分かった。遠隔操作のため放射線量が高い現場での作業も可能となる。日米関係筋が明らかにした。

 1〜4号機の燃料プールには生コン圧送機などで水を入れて冷やし続けている。通常、核燃料は専用プールで数年間冷やしてから輸送用のキャスク(鋼鉄製容器)に移して運び出すが、移送設備が爆発で破損しているため、キャスクを入れる大型クレーンなどを設置する必要がある。

 関係筋によると、作業は大型クレーンを部分的に組み立てたものを無人ヘリで第1原発の敷地内に運び込む。放射線量がある程度低くなった時点で、本格的な設置作業に入るという。

 3月下旬、ウィラード米太平洋軍司令官が折木良一統合幕僚長にこの計画を検討するよう要請。日本側はまだ正式な回答はしていないが、米側はいつでも米国から航空自衛隊松島基地(宮城県東松島市)に大型輸送機で無人ヘリを持ち込む準備を整えている。

 この無人ヘリは米航空・防衛大手ロッキード・マーチン社とカマン・エアロスペース社が共同開発した「K―MAX」で米海兵隊が所有している。アフガニスタンでは武装勢力のロケット弾で輸送ヘリが撃ち落とされるケースが続出したため衛星利用測位システム(GPS)で操作できる「K―MAX」が導入された。関係筋は改良型で最大約1・4トンの輸送重量も大幅に引き上げることが可能としている。

(共同)
 

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