名古屋グランパスは16日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで約1時間、練習した。DF阿部翔平(27)はクロスボールを改良して19日のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)1次リーグ第4戦、ソウルでFCソウル戦に挑む。左から鋭く曲がるクロスを得意とする阿部だが、ゴール前の状況に応じてストレートな球質も取り入れ、得点力アップにつなげる。
一瞬のタイミングを逃したくない。強烈なスピンをかけて曲げるクロスを武器にする阿部が「使い分けが大事ですね」とストレートな球質も意識するようになったのは、闘莉王の言葉がヒントになった。
「曲げずに入れてほしい時もあるんだよ」。DFながら攻撃参加することも多い闘莉王の感覚に、気づかされた。ボールを曲げようと力を入れるほんの一瞬で、ゴール前の選手が一番ほしがっているタイミングを逃してしまうことがある。
初勝利を挙げた12日のアルアイン戦では、鋭く曲げて金崎のヘッドをアシストした。
「曲げる時はピンポイントで狙う。早いタイミングで飛び込んできたら真っ直ぐですね」
ストレートなら標的は大まかでも、タイミングを最優先し、点ではなく線で合わせるイメージだ。アジアの厳しい戦いでは、芸にこだわるより、リアリティーを追求する。
ホームでのFCソウル戦(6日)は永井の個人技で奪った1得点だけで1−1の引き分け。19日のアウェー戦では、さらに厳しくなることが予想される。限られたチャンスを確実に生かすために、阿部がクロスの引き出しを増やして準備する。
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