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【プロ野球】

マー君 甲子園でプロ初完投 「東北の皆さんやりました」

2011年4月16日 紙面から

◆楽天3−2オリックス

楽天−オリックス 8回表2死二塁、代打伊藤を三振に打ち取りほえる田中=甲子園球場で(横田信哉撮影)

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 マー君が吠えた。闘将も吠えた。楽天は15日、今季初の主催試合となった甲子園でのオリックス戦を3−2で快勝。田中将大投手が7安打2失点に抑え、プロ入り後初めて、思い出の甲子園で完投勝利。聖地に凱旋となった星野仙一監督に、会心の勝利をプレゼントした。

 高校野球のように、勝利の後は自然とファンが陣取る一塁側スタンドの前に足が向かった。楽天の田中はピンと右手の人さし指を高く突き上げ、大声援を気持ちよさそうに全身で浴びた。

 「東北の皆さんやりました。高校の時は甲子園の一塁ベンチで負けたけど、きょうは一塁ベンチで勝てた」。5年前に早実高・斎藤(日本ハム)と夏の高校野球決勝を投げ合った思い出の地。そこで迎えた大事な主催試合初戦を任され、9イニングを7安打2失点。気持ちの入った110球で、プロ入り初となる甲子園での完投勝利となった。

 本来予定されていた3月25日の開幕戦は田中が先発のはずだった。プロ5年目で初の栄誉だったが、東日本大震災の影響で開幕が延期に。結果的に岩隈が開幕投手に指名されたが、その代わりに第2の開幕戦と位置付ける甲子園での主催試合初戦、さらには4月29日に行われるKスタ宮城での本拠地開幕戦を託されることになった。

 東北のファンを勇気づけたい。その心でいっぱいだった。仙台に一時帰郷した田中は8日に大津波の被害を受けた宮城県東松島市の避難所をナインとともに訪問。現地では温かく歓待してもらい胸が熱くなった。即席サイン会に約200人が押し寄せたが、子どもたちの目線で接した。ある少年に「一球入魂」と書こうとした際は「『魂』の左側ってどう書くんやったっけ」と気さくに尋ねるなど、普段着の自分をさらけ出した。

 自身も6歳の時に故郷の兵庫県伊丹市で阪神大震災を経験。「すごく揺れたのは鮮明に覚えている」と当時を思い起こし、たくましく生きる子どもたちの姿に強く共感した。

 「逆転してもらってあとは気持ちでいくしかなかった。チームが一つになっていると感じた」。チームが勝利を積み重ねていくことで東北も元気になる。若きエースはこれからもほえまくる。 (鶴田真也)

 

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