災害派遣、現場自衛官から上がる悲痛な声

なぜ政府は現場が活動しやすいように手を打たないのか

2011.04.14(Thu)  藤井 源太郎

国防

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 肝心の携帯無線機の周波数帯も、警察、消防、国交省が良いところを押さえているため、防衛省の割り当て区域は、伝播(でんぱ)能力の低い周波数帯です。ちょっとした障害物で電波が届かないとか、この位置から少しずれると電波が入らないということが多いのです。

懐中電灯も自衛隊員の私物

震災救援で予備自衛官を招集 防衛省

擦り切れた自衛隊員の手袋〔AFPBB News

 こういった非常事態の場合においては、実際の活動状況を踏まえたうえで、伝播能力の高い周波数帯の割り当てを再検討して頂きたいです。

 東北の夜は早く、夕方になると暗くなります。その際、懐中電灯やヘッドライトを使用しますが、これもほとんど隊員の私物です。

 官品は、懐中電灯で約30人の小隊で5個程度、ヘッドライトの支給はなし。LEDライトは、100人以上いる各中隊で5個程度。私物用の電池も、隊員が自腹で購入しており、官品補給はありません。

 海上自衛隊や米海軍のほか、民間船による海上輸送も始まりましたが、荷揚げ作業に用いる施設器材が不足しています。

 また、被災地では、がれきと車両などの除去を行っていますが、がれき除去の進捗に比べ、車両などの除去が圧倒的に捗っておりません。陸海空自の築城施設器材を動員して作業に当たっていますが、不足しているからです。

民間の建設機械を貸与してほしい

 クレーンを例に取ると、施設部隊や後方支援部隊に、トラック・クレーン、重装輪回収車、簡易クレーン付き3.5トントラックなどがあります。

 しかし、簡易クレーンは軽量物しか運べませんし、重装輪回収車は重量物を持ち上げられてもその速度は極めて遅いので、やはりトラック・クレーンが適しているのですが、台数がそんなにありません。

 自衛官は大型自動車、トラック・クレーン、玉かけ、フォークリフトなどの免許を持っている隊員が多数おります。

 現場に必要な築城建設器材を、民間から借り上げてでも用意して頂ければ、被災地の方々へ迅速に救援物資を運ぶことができます。

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