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相次ぐ原発緊急事態、想定外と見通しの甘さ

 福島第一原子力発電所、第二発電所で相次いで出された原子力緊急事態宣言は、日本の原発防災の巨大地震に対する見通しの甘さを露呈させた。

 東電によると、建屋の震度など実際の揺れのデータをまだ評価していないものの、今回の地震のマグニチュード8・8は同発電所の想定(最大マグニチュード7・9)を上回る規模だった。

 緊急時に水を注入して炉心を冷やす緊急炉心冷却装置(ECCS)が電源も含めて停止。くみ上げた冷却水(海水)を回すポンプも止まった。このため、原子炉の冷却が不十分になり、格納容器内の圧力が上昇、容器が崩壊する危機が高まった。

 ポンプ停止の原因は、福島第一の場合、1〜6号機の非常用ディーゼル発電機計13機がすべて、地震約1時間後に故障停止したことだった。想定では、地震が起きても各基が非常用発電機を融通しあって復旧するとしていたが、全滅した。

 福島第二では、被害状況が確認できない、として海水を通すポンプなどが止まったまま。さらに福島第二では、放射線監視装置も3台のうち2台が停止している。このため監視装置を積んだ車などを動かして放射線監視に当たっている。

 東電は電源を確保して原子炉の温度を下げるため、保有する発電機車51台を現地に集め、発電の準備を進めている。

2011年3月12日10時37分  読売新聞)

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