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福島第一原発で冷却トラブル、緊急事態宣言

 東京電力福島第一原子力発電所(福島県大熊町、双葉町)1〜3号機で、地震によって運転が自動停止した後、水を注入して冷却する「緊急炉心冷却装置(ECCS)」、除熱装置を停電時に稼働させる非常電源が故障するトラブルが発生した。

 政府は、11日夜、原子力災害対策特別措置法に基づき、原子力緊急事態を宣言した。2号機の原子炉内の水位の低下が確認され、燃料棒が露出して放射能が漏れる可能性として、政府は同原発から半径3キロ・メートル以内の住民に「避難」させるよう地元自治体に指示した。

 経済産業省原子力安全・保安院によると、ECCSを動かす電源を消失した事態は国内初めて。東電は、同日午後10時半過ぎ、現地に電源車を派遣、電源回復の作業を始めた。ECCSは、制御棒を挿入し核分裂を止めて緊急停止した後に、原子炉が壊れたり、炉心の温度や圧力が上昇したりした時に水を入れて冷やす装置。ECCSが必要時に作動しない場合は、最悪、炉内の水が蒸発し、炉心が露出、放射線が外部に漏れる可能性もある。現在、同原発1号機、3号機では水位が低下していないが、除熱装置が作動できない状態が続いている。

 ほかに、東電福島第二原発1号機では、格納容器内の圧力が上昇し、ECCSが作動した。

2011年3月11日22時54分  読売新聞)

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