三陸沖の大地震により、東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)2号機の原子炉冷却機能が11日、停止した。東京電力の電源車が到着、復旧作業を急いでいる。政府は同日夜、外部への放射能漏れの恐れもあるとして、半径3キロ以内の両町住民5862人に緊急避難を指示、原子力災害対策特措法に基づく原子力災害非常事態宣言を発令した。これまでに、外部への放射能漏れはない。
政府は半径3〜10キロ圏内の住民4万5345人に対しても屋内待機を指示。同日夜、首相官邸で会見した枝野幸男官房長官は「万が一に備えた指示。落ち着いて避難を」と呼び掛けた。
経済産業省原子力安全・保安院によると、同原発は1〜3号機すべてが地震直後に自動停止したが、1、2号機の冷却水の水位が確認できない状態になっている。2号機は冷却機能が停止。非常用ディーゼル発電機も停止しており、東電が電源車を向かわせた。
福島県などによると、2号機の原子炉冷却水の水位が下がっており、この状態が続くと燃料棒が露出し、放射能漏れの恐れがあるという。
また、福島第2原発(同県富岡町、楢葉町)も1〜4号機が自動停止。東京電力によると、1号機の原子炉格納容器内の圧力が上昇し、午後5時35分に非常時に炉内に冷却水を注入する「緊急時炉心冷却装置(ECCS)」が自動起動した。
保安院によると、冷却水は確保されているとみられるが、2、4号機は冷却のため海水を取り入れるポンプの動作確認が津波の影響でできなくなっているという。
[時事通信社]