事件【東日本大震災】「研究成果を生かせなかった…」貞観地震の研究者+(2/2ページ)(2011.3.28 19:28

[事件]ニュース トピック:津波

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【東日本大震災】
「研究成果を生かせなかった…」貞観地震の研究者

2011.3.28 19:28 (2/2ページ)

 直近の巨大津波は、貞観か室町時代(14~16世紀ごろ)で、「いずれにしても、いつ起きてもおかしくない状態にある」と結論づけていた。

 「防災に生かさなくてはいけない」

 政府の地震調査研究推進本部に報告した成果は「海溝型地震の長期評価」に盛り込まれ、4月にも公表されるはずだった。推進本部は今年に入ってから大きな被害が予想される自治体に赴き、貞観地震再来の危険性を説明。しかし、自治体の防災担当者は「そんな長い間隔の地震は、対策を練っても仕方がない」と、鈍い反応だったという。

 「研究者自身が説明しなくてはだめだ」。宍倉さんは今月23日に、福島県の防災担当者に直接説明する予定だった。「絶対に、対策の必要性を理解してもらわなければ」と意気込んでいた矢先の3・11-。

 研究成果を防災に生かせなかったことが無念でならない。「1千年スケールの災害が起こり得ることを、行政の人たちも分かったと思う。同じ思いはもうしたくない」と、宍倉さんは声を振り絞った。

(伊藤壽一郎)

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