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福島第1原発、冷却機能停止=放射性物質放出の恐れも―周辺住民に避難指示

2011年3月12日4時26分

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 三陸沖の大地震で被災した東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)2号機で、11日夜、原子炉の冷却機能が停止した。同1号機では原子炉格納容器内の圧力が上昇、東電は原子炉の破損を防ぐため、圧力を逃がす操作の検討を始めた。この操作により、外部に放射性物質が放出される恐れもある。政府は11日、原子力災害非常事態宣言を発令、半径3キロ以内の両町住民5862人に緊急避難を指示。半径3〜10キロ圏内の住民4万5345人に対しても屋内待機を指示した。県によると、3キロ圏内の住民全員が避難を終えた。経済産業省原子力安全・保安院と東電によると、同原発は運転中の1〜3号機すべてが地震直後に自動停止した。非常用ディーゼル発電機が故障し、2号機は冷却機能を停止したため、電源車を派遣し、復旧作業を進めている。

 一方、1号機では、通常400キロパスカルの格納容器内圧力が、600キロパスカルまで上昇。格納容器が破壊される恐れが生じたため、東電は圧力を逃がす操作を検討。操作に伴い、外部に放出される放射能の量や影響を調べている。2号機の原子炉冷却水の水位は、燃料棒の最頂部より約3.5メートル高い位置で維持されている。水位が低下すると燃料棒が露出し、放射能漏れの恐れがあるという。

 また、福島第2原発(同県富岡町、楢葉町)も1〜4号機が自動停止。東京電力によると、1号機の原子炉格納容器内の圧力が上昇し、午後5時35分に非常時に炉内に冷却水を注入する「緊急時炉心冷却装置(ECCS)」が自動起動した。保安院によると、冷却水は確保されているとみられるが、2、4号機は冷却のため海水を取り入れるポンプの動作確認が津波の影響でできなくなっているという。東京電力によると、福島第2原発の排気筒クレーン操縦室で作業員1人の死亡が確認された。同第1原発では、タービン建屋内にいた同社社員2人の所在が確認できないという。 

[時事通信社]

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