2011年 04月 15日
「人工地震」の見分け方:mb−Ms/mbプロットを作れ!
みなさん、こんにちは。
ここ数日私は、「人工地震の見分け方」を勉強していた。やっと理解できたので今回はこれをメモしておこう。私が調べた範囲では、この研究もすでに欧米ではかなり長い歴史があるようなので、そんなものをいちいち紹介してもしょうがないから、結論だけ先に述べておこう。
結論からすると、「人工地震と自然現象の地震は見分けることが出来る」ということである。その証拠が以下のものである。
A probability of detection method for reducing short-period mb-Ms false alarm rates
ここで、このグラフにある、mb、Msとは何か?
これは、地震を見れば、書いてあるように、地震の規模を表す単位のことである。
mbは、地震が最初にやって来る「P派(実体波)」の地震規模を定義する。それに対して、Msは、その次にやってくる「S波(表面波=レイリー波)」の地震規模を定義しているというわけである。
マグニチュード
Earthquake size
地震動を地震計で測定すると、この図のように、一番最初にまず「P波」がやって来る。この振幅から、この大きさmbが分かる。そして何秒か後に「S波(表面波)」がやって来る。この振幅がMsである。
日本の地震動による地震予知は、この原理を使っているわけである。まず「P波」をとらえて、その規模から「M5の地震が来ます。地震に備えてください」とメッセージを出すわけである。そして実際に20秒ほどして「S波」が到達する。そしてしばらくして、その「S波」の地震規模から、「実は先ほどの地震の震度はM4.5でした」とかいうわけである。
この時の一番最初のものがmbであり、後のものがMsなのである。経験上、多くの場合、mb>Msであるらしい。
さて、巨大地震が来ると、その後も余震というものが続く。そこで、その度に、mbとMsを測定し、記録すると、何度も何度も余震のデータが揃うはずである。そこで、この時、実体波の規模mbと表面波の規模のずれ、すなわち、mb-Msと実体波の規模mbでプロットしたものが、一番最初のグラフである。
こうすると、実は、原爆(核爆弾)による地下核実験で生じた巨大地震とプレートのきしみで生じた自然の巨大地震の差が現れるというのである。□が自然の地震、○が爆発によるものである。
問題は、日本の地震学分野では、マグニチュードの定義が欧米と異なり、独自の方式、気象庁方式でやっている。そのおかげで、Msもmbも見境いなくMの一種と考えているようである。そのせいか、この2種類の区別に関わる研究がほとんどないようである。したがって、この研究のような、人工地震と自然地震の区別の研究が乏しいようである。もっとも、日本には核爆弾がないから、そもそも核爆弾による人工地震と自然現象を比較するという動機が無かったということだろう。
一方、欧米では、たとえば敵国で地震が起こった場合、それが地下核実験によるものか、自然現象かを知る必要があった。だから、かなり昔からこの手の研究が必要であったようである。さらに、ネバダの核実験で無数に穴を開けているから、その人工地震のデータが蓄積されていたというわけである。
そんなわけで、爆弾による人工地震か、自然現象による地震かは、見分けることが出来るというわけですナ。
日本の311のデータを持っている人がいるのであれば、ぜひmb−Ms/mbプロットを作ってみることをお勧めする。それができれば、即刻、人工地震かどうか判別可能であるということになるだろう。
さて、最後に「HAARPによって引き起こされた人工地震」の場合はどうか? これも見分けることが出来るのか? 残念ながら、これについてはまったく研究が公表されていないようである。おそらく、この場合は、震源の深度分布が有効になるだろうと思う。例えば、震源地10kmが異様に多いとか、震源地の場所が正方形だったとか、そういったもので判別できるはずですナ。
何事も頭使って考え抜けば、それなりに分かるようになるというわけですナ。
参考:
A probability of detection method for reducing short-period mb-Ms false alarm rates
Shear velocity logging in slow formations using the Stoneley wave
http://redalyc.uaemex.mx/pdf/568/56838105.pdf
ここ数日私は、「人工地震の見分け方」を勉強していた。やっと理解できたので今回はこれをメモしておこう。私が調べた範囲では、この研究もすでに欧米ではかなり長い歴史があるようなので、そんなものをいちいち紹介してもしょうがないから、結論だけ先に述べておこう。
結論からすると、「人工地震と自然現象の地震は見分けることが出来る」ということである。その証拠が以下のものである。
A probability of detection method for reducing short-period mb-Ms false alarm rates
ここで、このグラフにある、mb、Msとは何か?
これは、地震を見れば、書いてあるように、地震の規模を表す単位のことである。
日本では、気象庁が独自の定義による気象庁マグニチュード(Mj)を発表しており、日本ではこれを単に「M」と表記することも多い。これに対し、多くの国では表面波マグニチュード(Ms)や実体波マグニチュード(Mb)のことを、単にマグニチュードと呼ぶことが多い。
mbは、地震が最初にやって来る「P派(実体波)」の地震規模を定義する。それに対して、Msは、その次にやってくる「S波(表面波=レイリー波)」の地震規模を定義しているというわけである。
マグニチュード
Earthquake size
地震動を地震計で測定すると、この図のように、一番最初にまず「P波」がやって来る。この振幅から、この大きさmbが分かる。そして何秒か後に「S波(表面波)」がやって来る。この振幅がMsである。
日本の地震動による地震予知は、この原理を使っているわけである。まず「P波」をとらえて、その規模から「M5の地震が来ます。地震に備えてください」とメッセージを出すわけである。そして実際に20秒ほどして「S波」が到達する。そしてしばらくして、その「S波」の地震規模から、「実は先ほどの地震の震度はM4.5でした」とかいうわけである。
この時の一番最初のものがmbであり、後のものがMsなのである。経験上、多くの場合、mb>Msであるらしい。
さて、巨大地震が来ると、その後も余震というものが続く。そこで、その度に、mbとMsを測定し、記録すると、何度も何度も余震のデータが揃うはずである。そこで、この時、実体波の規模mbと表面波の規模のずれ、すなわち、mb-Msと実体波の規模mbでプロットしたものが、一番最初のグラフである。
こうすると、実は、原爆(核爆弾)による地下核実験で生じた巨大地震とプレートのきしみで生じた自然の巨大地震の差が現れるというのである。□が自然の地震、○が爆発によるものである。
問題は、日本の地震学分野では、マグニチュードの定義が欧米と異なり、独自の方式、気象庁方式でやっている。そのおかげで、Msもmbも見境いなくMの一種と考えているようである。そのせいか、この2種類の区別に関わる研究がほとんどないようである。したがって、この研究のような、人工地震と自然地震の区別の研究が乏しいようである。もっとも、日本には核爆弾がないから、そもそも核爆弾による人工地震と自然現象を比較するという動機が無かったということだろう。
一方、欧米では、たとえば敵国で地震が起こった場合、それが地下核実験によるものか、自然現象かを知る必要があった。だから、かなり昔からこの手の研究が必要であったようである。さらに、ネバダの核実験で無数に穴を開けているから、その人工地震のデータが蓄積されていたというわけである。
そんなわけで、爆弾による人工地震か、自然現象による地震かは、見分けることが出来るというわけですナ。
日本の311のデータを持っている人がいるのであれば、ぜひmb−Ms/mbプロットを作ってみることをお勧めする。それができれば、即刻、人工地震かどうか判別可能であるということになるだろう。
さて、最後に「HAARPによって引き起こされた人工地震」の場合はどうか? これも見分けることが出来るのか? 残念ながら、これについてはまったく研究が公表されていないようである。おそらく、この場合は、震源の深度分布が有効になるだろうと思う。例えば、震源地10kmが異様に多いとか、震源地の場所が正方形だったとか、そういったもので判別できるはずですナ。
何事も頭使って考え抜けば、それなりに分かるようになるというわけですナ。
参考:
A probability of detection method for reducing short-period mb-Ms false alarm rates
Shear velocity logging in slow formations using the Stoneley wave
http://redalyc.uaemex.mx/pdf/568/56838105.pdf
by Kikidoblog | 2011-04-15 22:31 | HAARP